第6話「これは受かったな」『不合格確定』

 模擬戦闘試験場にやってきた。


 凄い広いな。



 ん? あれは……さっきの高得点男だ。確か……マックとか言ったっけ?


『ニックです。一応ロイン魔法王国の第三王子ですよ』



 なんかマックがメアリーと話してるぞ。



「おい、そこの女! メアリーとか言ったな! お前、辺境伯のくせに王子の俺より点数が得点が高いとか、イカサマでもしてるんじゃないだろうな!」


「そんなことしてませんし、できませんよ」



 なんか揉めてるみたいだな。



「黙れ! 所詮田舎者がいい気になるなよ!」


「いい気になってなんていませんよ……。あ、そうです! き、きっと測定器が壊れていたんですよ!」



 メアリーの言う通りだ!



「そうだ! 測定器が壊れていたんだ! 僕なんてあれだけの威力の魔法を放ったのに、的当て0点で魔力0って出たんだからな!」


「ん? ああ、お前はさっきの【魔力無し】か」


「【魔力無し】じゃない! マック! 君も見ただろ! 僕が魔力を測定しようとしたら、水晶が爆散したところを!」


「マック? まあいい。確かに、ありゃあ明らかに故障だ。まったく、学園もしっかりして欲しいな。こりゃ、教育レベルが高いって話も疑わしく感じてきた」


『いや、お前らの知能を疑うよ……』



 学園にはあとでそれ相応の謝罪をさせないといけないな!



「で、お前の模擬戦闘試験の相手は俺か。お互いベストを尽くそうな」


「望むところだ! 君に勝って測定器の故障を証明して見せる!」


「それはこっちのセリフだぜ。俺がお前に圧勝して、測定器の故障を証明してやる」


『故障しているのはお前らの頭だけどな』



 ふう、緊張するな。



「マチョスさん。間に入ってくれて助かりました。変な言いがかりをつけられて、困ってたんです」


「いや、マックの言い分は正しいでしょ。どう考えてもおかしい結果だったし」


「あ、はい。そうですね」




 さあ、模擬戦闘試験の開始だ!



 幸か不幸か、僕とマックが一番手か、



 僕はマックと対峙する。



「模擬戦闘試験は、魔法の技術、威力を見ます。相手を倒しても構いませんが、くれぐれも『魔法』で戦闘してくださいね。物理攻撃の使用は即失格です」



 審判の人がルールを説明してくれた。


 なるほど、相手を倒せばいいんだな!




「メガファイア!」



 マックがすごい炎を出してきた!


 これはまずい!


 反撃しないと!



「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」



 僕は力を込めて腕を振るった!


 いでよ! 魔法!



「ぶげら!」



 マックが吹っ飛んでいった。



 これは高得点が期待できる! なんてったって一撃で倒したんだから!


 妖精さんのくれた魔力、すごすぎる!



「受験番号115、マチョス。物理攻撃の使用を確認。失格。受験番号001、ニック。メガファイアの発動を確認。得点100」


『反則で失格。想定通りでしかないな』




 ふう。これは間違いなく合格だろう。結果が楽しみだなぁ。


『間違いなく不合格だろ』

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