第4話「受験料建て替えありがとう!」『完全にみかじめ料』

 ロイン魔法王国に着いた。


 随分と栄えているなぁ。



「マチョスさんも、魔法学園へ入学するために来たんですよね?」


 メアリーが聞いてくる。


「うん。そうだよ。僕を【魔力無し】だからって追放したS級冒険者クラリスを見返すために、僕は魔法使いとして成り上がるんだ」


 その時、メアリーの隣りにいた銀髪のお付きの人、カミラが言った。


「S級冒険者クラリス……。マチョス様、もしかして貴方はあの【レアムーン】の一員だったのですか?」



 その名前はもう聞きたくない!




「僕は【レアムーン】なんて知らない! 僕はマチョス! ただの冒険者マチョス!」


「そう、ですか。人違いという線は考えづらいですが……」



 お、あそこが受験会場の受付かな?



「メアリー! あっちが受験会場みたいだ! さっそく行こう!」



 ん? なんかすごい爆発音がしたな。やはり栄えている街は治安が悪いのかな。



「ぶぎゅぅ!」


『音速を超えて走らないでください。人が死にます。まあメアリーは物理耐性が高いので死にはしないでしょうが……』






「あ、アンセム出身のメアリーです……受験登録を、お願い……します……」


「チクラ出身のマチョスです! 受験登録お願いします!」


「はい。受験料の10万ロインをお願いします」



 え? 



 僕お金持ってない。



「すいません。お金がないので稼いできます」


 僕は気合を入れてロイン王国の冒険者ギルドを探した。


『だからいちいち気合を入れるなよ! 巨大化したせいでメアリーが潰れそうになってるだろうが!』



 よし! あそこだな!



「ま、マチョスさん。命を救っていただいたお礼です……ここは私が建て替えますよ……」


 え? いいの?


『救われたのは確かですが、殺されかけてもいるんですがそれは……』


「ありがとうメアリーさん! 貴女は天使だ!」



「いえいえ。どうか、あまり暴れないでください……。私の命がもちません……」



 よし、受験登録は無事完了だ!


 メアリー、ありがとう!


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