第480並行世界 特攻聖女セインツフォー
「いえ、我々があなたに求めるのは強大な力ではありません」
「では何をして欲しいのですか?」
「説得です! 他の聖女たちをなだめて欲しいのです」
「はい?」
瑠璃子はちょっと間の抜けた声を出してしまった。
「特攻聖女セインツ4~イカれた聖女を紹介するわ!殺人鬼!アンドロイド!サキュバス!そして私はただの事務員!以上よ!~」より
https://kakuyomu.jp/works/16817330666032117077
●黒井瑠璃子
彼女は並行世界調査機関の総務部に勤務する職員である。
もともとは並行世界調査員の志望であったが、適性がないために事務員として働くことになった。
瑠璃子は極めて平凡な事務員に過ぎなかったが、ある日、第480並行世界によって聖女として召喚誘拐されてしまう。
幸いだったのが瑠璃子はスマートフォンを所持していたことだ。第2並行世界のスマートフォンは、並行世界調査員が使用するHi-SADを民間向けにデチューンされたものであり、並行世界をまたがった通信を可能とする超科学アプリケーションがインストールされていたのだ。
瑠璃子は第2並行世界と連絡を取り、無事に救助されたのだが、どういうわけかその後の1年間において5回もの異世界へ召喚されてしまった。
なぜこのような自体に陥ったのか、並行世界調査機関で調査が行われたが、はっきりとした原因は解明されなかった。最初の召喚で瑠璃子に対し召喚対象に選ばれやすい何らかの因子が付与されたというのが最も有力な仮説である。
●異世界召喚の阻止
召喚技術によって他の並行世界の住民を誘拐する犯罪行為は第480並行世界以外の並行世界でも横行している。
召喚者の人権を無視する行いであると同時に、召喚者によって召喚した側の並行世界に好ましくない変化が発生することもある。
そこで異世界召喚が自然発生したものではなく、人為的に行われたものであると認められた場合、第2並行世界は異世界召喚が出来ないよう措置を施す。
この措置は妨害装置の設置によって行われる。
どのような技術にせよ、異世界召喚では必ず2つの並行世界でのコネクションの確率が必要である。妨害装置は召喚が行われる際に、「コネクション可能な並行世界は存在しない」という偽情報を召喚を行う儀式や魔法に送信することで召喚を妨害する。
そのため、2つの並行世界をつなぐ経路がすでに確立済みだった場合は妨害装置は効果を発揮しない。
ディスカバリー・オブ・パラレルワールド 銀星石 @wavellite
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