第659および第660並行世界 東京異世界ランド
二人がいるのは倉庫などではなく、荘厳な雰囲気をたたえた謁見室だった。
滑らかに磨き上げられた白い石床に上品な赤い絨毯が敷かれている。
絨毯の両脇にはエルフ達が並んで立っていた。全員、性別を問わず目が覚めるほど美しい。
絨毯の先には玉座がある。エルフの王女イヴァリエが座っていた。
「東京異世界ランド」より
https://kakuyomu.jp/works/16817330662813817214
●インベーダーリスト
並行世界調査機関にはインベーダーリストと呼ばれる名簿が存在する。これは並行世界間を移動する手段を持つ者のうち、他の並行世界を侵略する危険性を持つ人物の一覧だ。
並行世界調査機関はそれぞれの並行世界が持つ独自性は保護されるべきと考えており、場合によっては侵略行為を阻止するための介入行動を取る場合もある。
●リストNo.35 イヴァリエ・エバーグリーン
出身:第659並行世界
脅威度:要観察
対話可能性:極めて困難
主な能力:不老不死、魔法による物質転送
戦闘力:中
この人物は第659並行世界を統治するエルフの女王である。同並行世界は統一国家が実現している。
イヴァリエの政策は概ね良心的で、彼女は自らが統治する世界の人々の幸福を願っているが、その反面、自らの方針に反対する者、あるいは彼女が理解できない文化等を「正しくない存在」とみなす傾向がある。
そのため、イヴァリエは過去に民族浄化および文化抹消行為を行っている。
イヴァリエは大規模な物質転送能力を持っており、隣接する第660並行世界(平均的な2020年代の地球)に対して恒久的な並行世界間移動の経路を確立している。
上記の彼女の性質から、第660並行世界に対して並行世界間の交流や支援活動を行うことが予想されるが、同時に第660並行世界の政治や文化に対し「正しくないものを正す」という名目で何らかの侵略行為を行う可能性も有している。
第660並行世界における黒井鋼治と赤木鳩美は第659並行世界からの転生者であり、時間停止能力を含めた極めて高い戦闘力を持つ。通常ならば、イヴァリエが鋼治と鳩美に勝利することは不可能である。
しかしイヴァリエは不老不死という強力なアドバンテージを有している。鋼治と鳩美が老衰死したあとでは、第660並行世界はイヴァリエに対抗できない。
現在、イヴァリエは第660並行世界に対して明確な侵略の意思を持っていないため、脅威度は要観察として監視するに留める。
イヴァリエが明確な侵略意思を見せた場合は脅威度を「要観察」から「要排除」に引き上げることとする。また排除の際は必殺弾(不死能力者の殺害が可能な特殊弾)の使用を許可する。
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