主人公の生々しい感情が、巧みな文章で描かれていました。
映画やドラマに登場する異常犯罪者はサイコパスが多いのではないでしょうか?
サイコパス=犯罪者と断じてしまうのは、あまりにも安易だと思いますし、現実の世界でもサイコパスだからと言って、罪を犯すとは限らないでしょう。
この作品の主人公も、赤の他人を好奇心で殺したくなったというある種のサイコパスとして描かれていると感じましたが、ストーリーの進行と共に生まれてくる「愛情」「思いやり」が人間らしさを表現しており、そこが非常に上手であるなと感じました。
だからこそ、後半の流れが非常に深みが出ていると思いました。