第3話 変わらないとおもってた

制服の変更は学校、市教育委員会や県教育委員会など様々な会で話を進めていかなければならない。

そんなにすぐに決まる訳じゃないからまだ私は薄い水色のワイシャツを身に纏っていた。


クラスの雰囲気は変わる事なくいつもの日常が流れていた。

マスクを着用した生活はどこか味気なかったが楽しい日々には変わりはなかったと思う。

こんな身でありながら女子の話題には疎いので少し疎外感を感じる事もあったが、いろんな話をするなかで消えていった。

「一応男だし邪魔しちゃ悪いよね」ということも思うのであまり深いところまでは話すことはなかった。


授業が終わり部活の時間。

仲良しの私たち3人組は情報部。

情報部って言ってもなにもしていない帰宅部の様なものだった。

いつも少しタイピング練習をして学校のタブレットでこっそり漫画や小説や読んだり、動画を見ていた。

冷房の効きは悪かったが設定をこっそり18℃にすれば暑くはなかった。

と、思っていたら4機ある冷房のうち3機ぶっ壊れた、クソがっ!

学校が再開した頃にはもう夏時間で部活の時間も長かった。

そんな中で少し違和感を感じた。

なにか、顧問の私への態度が変わった気がした。

「気のせいだよね」ってみんなで話していたけど、気のせいでは無かった。


もう暑くなってきて、夏の虫の声がした。

「もうこんな時期かな」なんて思って、2ヶ月の休校の長さと失われた時間を感じた私たちだった。


変わったものはあるけど、

変わらないでいて欲しいこともあった。

私たちは、この時には日々が変わってしまうことを感じていたのかもしれない。



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仲間たちと描いたミライへの2年間 @Harurun-3523

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