いつかの世界

森ノ内 原 (前:言羽 ゲン

いつかの世界へ

 僕/私はいつかの未来を観ています。そこに辿り着いた僕/私を追いかけています。今の貴方は、なりたかった自分です。


 僕達/私達描いた景色はどうですか?綺麗?それとも汚い?


 いつ頃辿り着きますか?


 そこは世界にどう影響を与えていますか?


 そこが僕/私の理想郷です。僕/私の世界です。


 しかし今の僕/私がいる場所は貴方の世界では幻想郷。現実リアルから追いつけない、はたまた現実リアルにならないかもしれない世界。


 このメッセージも届かないかもしれない。

 

 ただ、これを観た時はすでに辿り着いている証。


 そして貴方にはちゃんとした居場所が存在しているでしょう。


 そこに辿り着くには何が必要だったのでしょう?


 未だ道を彷徨う旅人の僕/私です。


 現実リアルに揉まれて、潰されて、閉じ込められて、僕/私はどこに向かっているのか、歩かされているのか分かりません。


 今はただ目の前の事で精一杯で、何をしているんだろうとルートを間違えているように感じる。


 天を見上げればもう見慣れた無限に広がり進み続ける蒼空。


 それは、ずっと生まれた時から変わらない色と風景。


 しかし、それには近づき届く事もなければ、触れる事も出来ない。


 僕/私のいるべき居場所も、辿り着かないまま最期おわりを告げるのか。


 このそらと同じように…


 それは生きていると言えるのだろうか?


 僕の世界を囲い込むのは現実リアルに縛られて生きる者達。


 僕/私に現実リアルを突きつけ、理想郷を消し去る。貴方に近づく道を塞ぐ。


 『いつまでも夢なんて見るな!甘えるな!』


『目の前の事も出来ないんじゃ、何も出来るわけない』


『お前なんかに出来る事なんてその程度の事。所詮その程度の人間なんだ』


 誰も味方なんていない。未来を閉ざすような屍に囲まれている。


 僕/私はこのまま終わるのか?


僕/私の未来、僕/私の物語、僕/私の人生…


僕/私の未来を、物語を、人生を邪魔するのなら!


 描いてみせる!書き続ける!進み続ける!


 何度倒れようと、何度踏み躙られようと、何度邪魔されようと、僕/私の世界は、僕/私が作る!


 これが僕/私の未来!物語!人生!


 貴方に追いつきます!どこまでも諦めずに進み続けます!どんなに穢されようとも描き続けます!


 僕/私の未来の為に!


 この世は何年経っても『出る杭は打たれる』です。杭が弱ければ、柱が作れません!

 

 家が建てられません!


 私の居場所が出来上がりません!


 貴方がいる居場所にはきっと強い柱が立っている筈。


 それが貴方です。


 それは貴方に追いつきたいと言う僕/私によって出来た強い杭によって支えられている筈。


 だから僕/私は杭となる!どんな災いにも負けない杭に!


 


 



 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつかの世界 森ノ内 原 (前:言羽 ゲン @maeshin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ