妹、許すまじ。

1万字企画から参りました。なたこです。以後お見知りおきを。17話時点のレビューです。伯爵家の長女テンダーは、両親からの愛情を一身に受けることはできなかった。それは3つ下の妹アンジーの存在があったせいだった。容姿に恵まれた彼女は、美しい身なりも高い教養も手に入れ、そしてテンダーの婚約者さえ手に入れようとしていたのだ。時は進み学校に通い始める頃、友達ができ始め、自らの境遇を伝えるとわが身のように怒り、嘆いた。本作では血縁者から理不尽な目に遭っている主人公であるが、自身の半生を振り返っても、悲観的ではない。むしろそれが当たり前であるという認識となっている。長い間の苦しみが彼女の心を歪ませたのか、悲観的になることを諦めたのかは分からないがそんな彼女の姿に、乳母やメイド、友人などはよき理解者となって支えてくれている。一見すると救いのない状況であっても協力者は居るということを思い出させてくれる物語である。今後、妹を含めた家族を見返すようなストーリーとなることを私は期待したい。女性間の友情、婚約破棄ものがお好きな方は、ぜひご一読ください。