第11話
文化祭では、美術部として、ボクは富士山の絵を展示した。高梨さんも富士山の絵を描いていたから、2人のを並べて展示した。
美術部の展示教室で応対していたら、同じクラスのサッカー部の直くんに、
「これ、あげるっ」
って言われ、ペンダントをもらった。直くんは、すぐ教室を出て行った。
きれいな色で、AYAMEっていう名前、描かれてあった。
高梨さんに、
「あっ、これ、他のクラスでやってる、アクセサリーのお店で、好きな名前を立体的に描いて作ってくれるんだよーっ。直くん、AYAMEちゃんで作ってきてくれたんだね~」
って言われた。
きゃあああ、直くんっ、うちのこと好きなのかあ...って、めっちゃ嬉しかった。
そのあと、1人の女の子、教室に入ってきて、
「あなた、あやめちゃん?直くんにアクセをプレゼントされたっていう...」
って言ったかと思うと、また、すぐに教室から出て行った。
「直くん、サッカー部でカッコ良いから、女子に、めっちゃ人気あるのよね~」
って、高梨さん笑ってた。
教室にドラムやってる椛田くん入って来て、いきなり、ボクのおっぱいを優しくムギュッて触った。
きゃあああ、何すんの~?
って思ったら、
「胸もあるんやなあ~」
って言って、ちょっと赤くなって教室を出て行った。椛田くん、ドラム、どんなんでも叩けて、凄いなあ~って、いつも思ってたから、めっちゃ嬉しかった。いつでも触ってくれて、ええよーって思った。
高3になって、ボクは服飾の専門学校に進学することにした。高梨さんも、同じ専門学校に、いっしょに行くことになった。
服飾専門学校の最初の日に、教室で、みんなの体の採寸をするために、服を脱いで下着になった。ボクの体、めっちゃ柔らかくて曲線的な女の子の体やから、クラスの女子みんな最初、ちょっとびっくりした感じで見ていた。でも、それから、みんなといっしょに仲良く普通に、下着姿で採寸をやっていった。
採寸をやっていたら、1人の女子のペンケースから、えんぴつとか、パラパラって落ちてしまって、それを拾うの手伝ってあげたら、その子と、指と指、触れあって、
「ありがとう~」
って赤くなった、その子に言われた。
わざと落としたのかなあ~って思ったけど、どっちだとしても、まあ良いかって思った。
イレーヌちゃんは東大に合格した。日本の女子大生になった。大阪の部屋を離れることをめっちゃ寂しがってたけど、また、たまには、ちょくちょく戻ってくるね~って言ってた。
高梨さんと高校の近くの伊勢寺に行ってみた。晴れてたのに、サーッと小雨、降ってきて、またすぐ晴れた。風はそんな吹いてないのに、草木はサワサワ音をたてて揺れてた。可愛い小鳥、2羽飛んできて、しばらく、いっしょに歩いてた。
伊勢さんの唄の前でキスした。
女の子みたいな体のボク、AYAMEちゃん ヤッキムン @yakkimn
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