ポカリよりもアクエリが好きやねん
@sakaura
ポカリよりもアクエリの方が(まだ)好きやねん。
高校三年になりたての私は、放課後の学校に自販機が搬入されてくる光景にいま出会している。尚、5台である。
普通の高校にはそのくらいの台数の自販機が有ると聞くが、残念私たちの学校には今の今までなかったものだ。現在時刻は16時半ば、自習室にて居残って勉強をしていて、キリがよかったものだからもう帰るかと思って下駄箱まで来たら出会したという格好。時の気まぐれか業者と私を除いては誰もおらず、そこで搬入作業を気にして私が立ち止まるのを不思議に見るような輩等は存在しなかったので、これ幸いに搬入作業を眺めてみる事にした。
なんということはない、ベンディングマシーンがただ一台ずつ横並びに置かれていくだけ、強いてトピックを言うなら最後の一つだけ別の会社の自販機で、尚且つ設置箇所が角で、角度の問題で少し手間取っていたくらいか。勿論物珍しいには物珍しい事なので、細かい設置方法なんかもほげーっと見てる割には興味を持って見ていた。後、5台諸共に設置が終わって業者は去って行った。出来上がった一つの異空間に込み上げるものが、あったらよかったなぁ。
初日の自動販売機は調整中と出てドリンクなぞ買えないわけだが、とはいえ、いかな飲み物が入ったかは気になるところ。指咥えながら赤い文字がなくなったあとに購入できるものを観覧するのだ。自ら買うとするならば麦茶とブラックコーヒーなのでそれがあるかも確かめた。
……あった。どちらも二種類ずつ。あ、角の自販機も合わせるとどちらも三種類だな。なんだかそこらの自販機より割高ではあるが、学校で買うことができるという楽を提供していただいているわけだ、高くてもしょうがなかろう。こだわり症なので結果的には一位に定まっていくだろうが、一つ一つに大きな味の差はない麦茶とコーヒーだ。バリーエーションがあるのは悪くない。ほんの軽い幸せを感じた。
飲み物についての自分語りをしようか。麦茶とコーヒーが好きで、コーヒーはブラック以外飲めない、紅茶は飲めるが得意ではない、ジュースの類はたまに飲む、スポーツドリンクは好きでない。
そうだ、スポーツドリンクは好きでない。独特な甘さが気になってしまって飲み進められないのだ。熱中症になりやすい体質なので否が応でも一年に一度以上は飲むのだが、あの独特な甘さにはどうしても慣れないのである。
何も無意味に飲み物についての自分語りをしたわけではなくスポーツドリンクに話を持っていきたかったのだが、というのも先の自販機、ほのかなツッコミどころがあったのだ。
会社が同じ4台の最上段一列、全てにポカリがおった。学校の自販機だしスポーツドリンクが沢山入れてあるのもそんなに大きな違和感はないだろうと言う人、多いと思うが冷静に考えてほしい、横並び一列(角除いて)全てポカリなのだ。やりすぎであるし、更には値段にも問題があって、そこらかしこの自販機で買うことのできるポカリスエットよりも20円は高いのである。ポカリに恨みがあるとでも言わんばかりであるが、学校という学生が蔓延る特殊区域故、恨みとかでなく単に儲けのためなのだろう。(麦茶とコーヒーが割高だったのも冷静になって考えればおそらくその理由であろうと思う)が、大事なのでひっくるめてもう一度、やりすぎである。
ぴんぽんぱんぽーん、ここでみなさま、題を思い出してください。
そうです、ポカリよりアクエリの方が(まだ)好きやねん。でございます。ぴんぽんぱんぽーん。
終。
ポカリよりもアクエリが好きやねん @sakaura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます