番外編:最弱魔王は新年を迎えます

 元旦...新年とはとてもめでたいことだ。新しい年を迎えお年玉やおせちにお餅。美味しい物をたくさん食べて家族と一緒にたわいもない話をしたり初詣に行ったりと数え出したらきりがない。それが新年だ。でも、それは俺が人間として生きていた時の記憶だ。それは今は最弱魔王・クラウドだ。この世界には元旦や新年という概念がない。そもそも今日が何日なのか分からない。生きていたら今頃新年を迎えていたころだろうか?

 「お雑煮...食べたかったな...」

と思わず口に出す。すると近くを通りかかったフィオナに聞かれていた。


 「番外編:最弱魔王は新年を迎えます」

 「お雑煮ってなんだ?」

 気になったフィオナはクレアを呼びだして聞いたがクレアも知らなかった。クレアは料理に詳しい精霊を呼び出し”お雑煮”について聞いてみた。

 「お雑煮についてか?教えてあげる!お雑煮とは新年に食べる食べ物さ!」

 「「新年に食べる食べ物?」」

 「そう、伝統的な食べ物でとっても美味しいのさ!試しに食べてごらんよ!」

と精霊にお椀に入れられたお雑煮を食べてみた二人はあまりのおいしさに驚愕した。

 「「おいしい!」」

 「だろう~これは新年に食べるのがセオリーだからな。ところでなんでお雑煮について聞いたんだ?」

 「実は町でクラウドがお雑煮を食べたかったと言っているのを聞いて気になったんだ」

 「魔王クラウドが!お雑煮について知ってるなんて流石魔王だね!もっと話が聞きたいな!案内してよ!」

 「いいですよ。流石...料理の精霊です。食べ物に関することなら誰でも興味を示しますね。ちょうどいいです。移動魔法でクラウドの所に移動しましょう」

クレアは移動魔法を発動させ魔王クラウドの所まで瞬間移動をした。


 「はあ...」

とため息をついていると目の前にフィオナ、クレアと謎の精霊が現れて驚いた。

 「うおおお!フィオナ?クレア?一体どうしたんだ?」

と俺が二人に聞こうとすると目の前に精霊が飛びついてきた。

 「やあ、お前が魔王クラウドか!おいらは料理の精霊・クッキング!お前がお雑煮について話していることをしってやってきたんだ!」

 「その為に態々来たのか!」

 「そうだよ~君はいい趣味をしている。料理について知っている君は偉い!君と料理について話したいぞ~」

 「ええ...なんでだ?」

 「いいじゃないか~話してくれればおいらの力でお雑煮やお餅やおせちみたいにクラウドが食べたい料理を繁栄させるよ~」

 「ええ...いいのか!」

 「うんうん!だってつまらないよね~今、新年なのにこの星は祝うことをしないから!」

 「新年?」

 「祝う?」

フィオナとクレアは訳が分からないのか首をかしげている。俺は料理の精霊・クッキングと正月や料理に話した。料理の精霊・クッキングは相当嬉しいのか大いに喜んだ。話し終えた俺は一息ついたがフィオナとクレアも興味があるようで今年から新年を祝う行事や料理が食べられることになった。料理の精霊・クッキングとその弟の文化の精霊・カルチャーが力を使ってくれたおかげだ。


 「おいしい!またお雑煮が食べらえれるなんて」

 俺は感心しお雑煮をかみしめて居ると精霊・クッキングとカルチャーに呼び止められた。

 「これから毎日食べられるよクラウド。またおいらの話し相手になってね!じゃあ、またね~」

 「兄がお世話になりました...」

二匹はそう言うと魔法で消えてしまった。

 「おいしいな...こんな食べ物を食べれるとは思いもしなかった」

 「そうですね。クラウド、また二匹の話し相手になってあげてください。あの二匹は多文化や他料理を繁栄する精霊です。なかなか興味や理解をしてくれる人や魔族が居なかったのでしょう。あの二匹があんなにうれしそうに喜んでいるなんて珍しいですから!」

 「そうだね。今日はクラウドのおかげで美味しいものを食べられらし、知らないことやあそびも知ることが出来た。ありがとう」

 「二人にそう言ってもらえて嬉しいよ」

 「そうだ。食べ終わったらその遊びについて教えて欲しい」

 「分かった!今日は皆で遊びまくるぞ!」

と俺が言うと町にいた多くの人が賛同した。それから子供たちや大人や数えきれない多くの人たちとこま回しやカルタやめんこ凧揚げをした。こんなに遊んだのは久しぶりかもしれない。

 「「クラウド~遊んで遊んで~」」

 「今度はこれこれ!」

 「ちょっと待って!」

 「人気者だな、クラウドは」

 「そうですね!」

 「そんなこと言ってないで二人とも助けて~」

 「仕方ない行きましょうか、フィオナ」

 「そうだね、クレア。親友を助けに行こう!」

次から次に話かけられた俺はフィオナとクレアに助けを求めた。二人は笑いながら助けてくれた。疲れたけど平和で楽しい一日だった。こんな幸せで皆が笑い合える日々が毎日続けばいいなと心から思った。


 「皆、明けましておめでとう!今年もよろしな!」

と俺が言うとみんなも続けて言った。

 「クラウド、あけましておめでとう!今年もよろしく/ね/な!」

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負けたら消滅!?最弱の魔王に転生したので勇者と協力します 時雨白黒 @siguresiguro

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