不思議なおとぎ話のような物語が集まった綺譚蒐集物語。淡々とした中にユーモラスがあり、けれどダークなところもある世界観に引き込まれました。タグに百合とありますが、第一話時点では、そこまで深い百合ではなく主従味が強いので、ここからどのように深まるのか楽しみです。物語が進むにつれて深まる関係が好きなので。ダークファンタジーや、怪奇事件などが好きな方は是非読んで欲しいです。
キャラクターや設定などもとても素晴らしいのですが、何より目を引くのはその文章です。言葉選びが物語の雰囲気を作り、読み手を深くへと連れてってくれます。1話から引き込まれ、一気に読んでしまいました。
おとぎ話って本来ダークなものなので、そうした雰囲気が好きな方におすすめです。ただエピソードによってはかなりグロテスクなのでご注意。
無駄を省いた表現でも十分世界が伝わってくるのは、作者の中でイメージがしっかり出来てかつ表現力が豊かな証拠でしょう。ウラヤマしい。