冬の街

@miyuno_e

tinder


「ねえねえ、ミカちゃんはアプリとかやらないの?…そうなんだ。じゃあ私の使ってなんか喋ってみなよ。久しぶりにインストールしてみるからさ」


位置情報をオンにすれば、誰でもいいのだろうか、顔写真さえ載せていないのによろしくお願いしますの挨拶が数通。


「やっぱこういうのはなんか違うよね。」


店を出て、ミカちゃんと別れて、アプリはすぐに消した。当然だ。


✳︎


「わ、tinderからめっちゃメールきてる。メッセージがたくさん届いてますよだってー」


アプリ消したし、と言いかけた


「え、どんなメッセージ?見せてよ」


え、いや、アプリはもうないです。

あなたというお方がいる分際で、tinderはやりませんよ。当然です。


どうやら私は、彼の彼女じゃないのかもしれない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冬の街 @miyuno_e

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る