第23話

 精霊の授業が終わった次の日、今日と明日は授業がない休みの日だ。


 学校は5日授業をした後、2日は授業がない休みがある。休みだけじゃなく、冒険者としての活動も兼ねてだね。


 稼いでおかないと装備や道具の購入や調整、食堂の利用ができなくなるから注意しないといけない。俺は故郷で稼いでたから十分余裕はあるけどね。



 なので朝は王都周辺の情報を確認したら外に出ようと思います!ずっと長旅で、このところ鍛練か練習しかしてないから実戦したくなっちゃったんだよ!


 寮を出る前に寮長さんに今日は野営するかもしれないと伝えると驚かれた。野営すると伝えてきた新入生は今年は俺が最初で、かなり早い方なんだって。

 野営から戻ってきた時や、また野営するかもしれない時は今回のように教えてほしいと言われた。



 というわけで野営道具も入れた荷物と槍を背負い、まずは学校ギルドに到着、受付嬢さんに王都周辺の資料がないか聞くと、あるそうなので資料室に移動、地形や薬草類の群生地、魔物の生息地を中心に確認する。


 んー…すぐ行ける場所だとCランクの魔物は王都から少し離れた森の深部じゃないと戦えないか…他はDランク以下がほとんど…

 よし!森の浅いところで魔物の確認、戦闘して手応えがないなら深部に進みながら戦闘と採取だな!



 資料室を出て、教えてくれた受付嬢さんにお礼と王都近くの森の深部へ行くことを伝えると驚かれたが、冒険者カードを見せるとランクを見て納得してもらえた。


 今回はじめて行くので注意点はないか確認すると、森の深部は奥へ行くほど暗くなり、低いランクの魔物は集団で動くことが多いから気を付けるよう言われた。


 俺は受付嬢さんに改めてお礼を言い、とりあえずオークの討伐依頼を受けてから学校ギルドを出た。




 門番に冒険者カードを見せ、久しぶりに外に出た俺は1度深呼吸してから王都近くの森へと向かった。


 時間はお昼頃、森に着いた俺は入る前に食事を済ませ、生活魔法のクリーンを使ってから森に入った。



 森を進んでいくと、最初に発見した魔物はフォレストウルフが3体、単体だとEランク程度だが、複数いると連携をしてくるためDランク相当の厄介な魔物になる。


 匂いで気付かれる前に姿勢を低くしながら風下に回り込み、背中を向けたところで奇襲。

 即座に1体の首を切り落とし、その勢いのまま2体目の首を切り落とす。3体目が気付いて襲い掛かってきたが、槍を半回転させながら石突側で顎を打ち、ひるんだところに首を切り落として終了。


 うん、いい感じだ。解体ナイフを出して討伐証明の牙を取り、毛皮を剥ぎ取ってクリーンをかけた。


 魔物の死体処理方法は基本5つあり、火葬、埋葬、放置して他の魔物に食べてもらう、そのまま冒険者ギルドまで持ち帰る。


 俺の場合は基本埋葬か他の魔物に食べてもらうかだね。冒険者ギルドにそのまま持ち帰る時は全身が素材となる魔物だったり、解体する余裕がない時、予定外の魔物だった時の報告用だね。

 今回は埋葬したよ。



 少し奥に進み次に戦ったのはオーク5体、単体ならDランクの魔物でも弱い方だが、力が強く複数になるとオークも連携してくるのでDランクの強い方まで上がる。

 構成は棍棒が3、槍が1、弓が1か…俺は身体強化を発動して背後から一気に近付き、弓持ちから順に足を切りつけ、先に全員転倒させてから次々首を切り落とす。


 うん、これも問題なし。身体強化を解除して解体ナイフで討伐証明の耳を切り落とし、食料になる肉の部分を切り取ってクリーンをかけ、氷魔法で冷凍した。

 残りはこのまま放置だ。



 次は正面から戦闘だね。


 少し移動するとオークが2体、棍棒と弓持ちがいたので正面から姿を見せる。

 オーク達が俺を見て笑い、弓持ちが矢を俺に放つが槍で軽く弾く。驚いた弓持ちは再度矢を放つが続けて弾く。


 俺が矢を弾きながら近付くと、棍棒持ちが前に出て大きく振り下ろしてきたので、槍で受け流して体勢を崩してから首を突き刺して払い、そのまま弓持ちに近付くき、硬直したままなので足を切り、転倒させてから首を突き刺して払う。

 身体強化なしだとまだ力不足で首を切り落とせないんだよね。


 倒れたオークの頭を刺し、完全に動かなくなってから耳を切り落として、食料の肉を切り取ってクリーンをかけてから凍らせる。残りは放置だ。



 それから奥に移動すると、フォレストウルフが6体いたので、音を出して気付かせてから正面に出る。


 臨戦体勢になったフォレストウルフが唸りながら俺を囲い、1体が後ろから襲い掛かると、他も続いて襲い掛かってくる。

 身体強化を発動した俺は後ろから来た1体を石突側で顎に振り上げて飛ばし、そこから左回りで順に素早く対処する。


 槍と身体を回転させながら1体の首を切り落とし、1体を槍で受け流して転倒させ、1体を蹴り飛ばし、飛び掛かる1体の頭を石突側で叩き落とし、1体を顎から突き刺して地面に叩きつける。

 ひるんで動けなくなった順に首を切り落とし、最後に受け流した奴の首を切り落として終了。


 しばらく魔物と戦闘してなかったけど、Dランクは問題なく対応できるな。


 対処は最初のフォレストウルフと同じで、牙を取り、毛皮を剥ぎ取ってから埋葬した。



 次は魔法を使うかな…魔物によってはすぐに終わっちゃうんだよね。


 森の深部に移動しながら薬草の採取もして気配を探り、発見した魔物を倒していく。風魔法で首を切り落とし、氷魔法で首や頭を突き刺し、雷魔法で感電死させる。


 倒した魔物はゴブリンやフォレストボア、防具を身に付けたオークもいた。防具をしたオークとなると数次第では巣ができてるかもしれないな…深部は注意して気配を探るか。



 時間は夕方前、森の深部まで移動すると光はあまり入らなくなり、暗くなってきている。


 気配を探りながら進んでいくと、防具をしたオークを5体発見した。盾1、剣1、斧2、弓1…タンクがいるな…近くでまた防具を付けたオークの集団を見たら巣があるのはほぼ確定とみていいな。



 俺はアイスウォールを張り、周囲に音が漏れにくくし、閉じ込めてから身体強化を発動して近付き、まずは弓持ちを風魔法で首を切り落とした。

 残りのオークが周囲を見渡し、俺を発見した瞬間に氷魔法で作った槍を投げ、盾持ちの顔に突き刺さって倒れる。

 剣持ちが叫ぶが残念、周囲には聞こえないんだ。隙ができたので一気に近付き、1体の斧持ちの首を槍で切り落とし、そのままもう1体にも近付き首を切り落とす。

 剣持ちが俺に斬りかかってきたので回避しながら背後に回り、首を切り落とした。


 今回は討伐証明の耳と、他のオークに使われないよう武器も回収して、気配の少ない方へ離れてからアイスウォールを解除する。

 オークの集団をもうひとつ見つけたので、一気にまとめて風魔法で首を切り落としてから耳と武器だけ回収して深部から出た。




「ふぅ…あぁ、久しぶりの実戦楽しかったー」


 そのまま森の入り口まで戻り、森の外に出てから身体強化を解除する。もう夜か…今日はこの付近で野営だな!


 平地まで移動して野営の準備を始める。

 テントを張り、調理器具を出して、火打ち石で火を起こす…あ、生活魔法の着火があるんだった!まぁ、いいや。


 今日手に入れたオーク肉を解凍し、焼きながら味付けして、生活魔法で出した水でスープも作る。

 完成したらパンと椅子を取り出して食事だ!いただきます!


 ごちそうさま、久しぶりに外で作ったけど美味しかったです。

 食べ終わった後はクリーンを使いながら食器や調理器具を片付け、槍と解体ナイフの手入れを終えてから自分にもクリーンをかけて火を消し、アイスウォールでテントを囲ってから寝た。



 明日は朝から森の深部でオークの巣探しだ!

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