番外編2(つまり猫が好き!)
しゃべる猫というのは、普段お目にかかれない。
私は飼い猫としゃべれるという不思議体験をしているのだ。
「普通、猫としゃべれないよね」
「そう?」
「言葉は違うけど結構わかってるよー。」
得意げに言うピオの頭を撫でる。
すると気持ち良さそうに目を細めるものだから、ほんとにほんとに可愛いなぁと思う。
「ピオもモカも私の言うことわかる?」
「わかるよ!」
「だいたいねー。」
私は、なぜか突然猫の言葉がわかるようになった今を満喫していた。
「あるじ、突然大きい声出すじゃん。」
「え、あ、そうだね、ごめんね怖いよね。」
「こわいー。」
「あれ、そう、怖いから逃げちゃうけどさ、子どもかわいそうだよ!」
「うっ……。」
まさか猫に言われるとは思っていなかったが、そう、私はイライラするとつい子どもを大声で叱ってしまうのだ。
そのとき、近くに猫がいると一目散に逃げていく。
そして、『あー、またやっちゃったなー……』と思うのだ。
「ごめんなさい……」
「まぁ、私たちはいいんだけどね? ただちょっとびっくりするだけ。」
「するねー。ひざから飛び降りるねー」
「うん……気をつけるようにするよ……。」
「わかればいいよ!」
「うんー、いいよー。」
私が反省している様子を見て満足したように、ピオは毛繕いを始めた。尻尾の先がしゅるんとしててきれいだ。
「ところで、どうして急にしゃべれるようになったんだろうね?」
「んー、わかんないー。でも私とモカはずっと一緒にいるし、特別な姉妹なんだよきっとー。」
「特別ねぇ……」
「そうだよー。だから私たちのこと大事にしてねー?」
「してねしてね!」
「もちろんだよ! モカとピオが家に来てくれて私とっても幸せだから! 話せても話せなくても大好きだし、好きだし可愛いしふわふわだし、おもちだしおまんじゅうだし白いし、猫だし可愛いし猫可愛いし、好きだし可愛いし好きだよー!」
「う、うん!」
「伝わった伝わったー。」
ちょっと引かれたけど気にしないことにする。
大好きなんだもんね!!
うちの猫がしゃべった。 井上佳 @Inoueyouk
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