第136話 藤咲さんとハプニング!
【前書き】
引き続き、藤咲さん視点です。
――――――――――――――
「ふぅ~」
山本が用意してくれた美味しい夕食を食べ終え。
彩夏が掃除してお湯を貯めて用意してくれた湯船に私、藤咲涼子はゆっくりと浸かっていた。
(……全く、2人とも。私に気を使いすぎだ)
そんな事を思いながら、お湯をチャプチャプと手で揺らす。
2人とも、私が最初にお風呂に入れるように待っていてくれたらしい。
別に先に入って、寝てくれても良いのに……。
美味しいご飯も温かい湯船も堪能してしまっている私はそんなこと言えずにこうして先に入らせてもらったわけだけど……。
(山本だって帰国直後で疲れているだろうし。別に私より先に入ったって……山本が入った風呂!?)
変なことを考えそうになった私は湯船のお湯を両手ですくって、バシャバシャと自分の顔に打ちつける。
煩悩を打ち消さなければ……くそっ、あいつは何であんなにカッコ良くなってるんだ。
思わずため息を吐いてしまう。
(山本が元々魅力的な奴だって知ってたのは私だけだったのに――って、また私は何を考えているんだ!?)
私は湯船を出ると、風呂桶に冷水を貯める。
そして、それをそのまま頭からかぶった。
「――っ!」
冷たい……!
けど、頭は冷静になった。
明日も仕事があるし、変な妄想はやめよう。
一日の疲れを完全に取ることに専念して、一旦山本のことは忘れるんだ。
じゃないと、いつまでも山本が私に笑いかける可愛らしい表情や、両親に向かっていた時のカッコ良い横顔を思い出してしまう。
(そう、いつも通り……いつも通り……明日の仕込みは……)
余計な雑念が入らないように料理のことを考えながら、私は左肩から順番に身体を洗っていった……。
◇◇◇
私のナイトルーティーンとも言えるだろうか。
実は私はお風呂から出ると、寝るまでは結構だらしなくリラックスしている。
今日もいつも通り、私は下着姿のままバスタオルを首にかけて冷蔵庫からビールを取り出した。
火照った身体をキンキンに冷えた缶ビールで冷やすためにプシュッと音を立ててプルタブを引いて一口飲む。
「くぅ~! 美味しい!」
そして、はしたなく声を出す。
「――藤咲さんっ!?」
直後、彩夏に呼びかけられる。
また、「ちゃんと服を着てください!」と叱られてしまうだろうか。
だが、家の中だしここには女しかいないんだから別に……
いつも通り、そんな風に思いながら居間に視線を向けると――顔を真っ赤にした美青年がいた。
……私は下着姿のまま、思考が停止する。
目の前の彼――山本も同じような状態だったが、一瞬早く現状を理解して慌てて目を背けた。
「ご、ごめんなさい! み、見ちゃいました! 本当にすみません!」
「いやっ! 謝るのは私だ! すまん、ついいつもの癖で!」
私の顔もきっと、オマール海老のビスクみたいに赤くなっているだろう。
急いでビールをキッチンに置いて寝間着が置いてある寝室へと駆け込む。
(バカバカバカ! 私の大馬鹿! 一旦忘れようとは思ったけど、本当に山本が居ることを綺麗さっぱり忘れてどうするんだ!)
16歳の男の子に下着姿を見せてしまった……。
多分、何らかの犯罪になってしまうんじゃないかと思う。
それに――何より私を慕ってくれている山本に、私のだらしない姿を見せてしまった!
せっかく冷やした身体を羞恥でさらに熱く火照らせながら、私は寝間着に着替えた。
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山本リベンジの続きも早めに投稿しますので、応援よろしくお願いいたします!
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