第43話 気に入ってます?
「ふぅ……さて、もう大丈夫だろう。アイマスクを取って良いぞ。山本羽化だな」
「……もしかして、少し気に入ってます?」
「そんなわけないだろう」
恐らく、柏木さんの顔の赤みが引いたのだろう。
俺のためにそこまで無理をさせてしまったのが申し訳ない。
まぁ、苦しんでいる俺を見ていられなかったから仕方なくだろうけれど……。
俺は上半身を起こすと、その時点で自分の身体が以前とは比べ物にならないほどに軽くなっていることに気がついた。
「じゃあ、目隠し取っちゃいますね。初めて見た人を親だと思ってついていく習性がありますので柏木さん、観念してください」
「なるほど……山本
「やっぱり気に入ってますよね?」
「そんなわけないだろう。馬鹿なことを言ってないで、さっさと外せ」
叱られてしまったので、俺はアイマスクと顔を覆っている布を一気に取り去る。
久しぶりの視界が捕らえたのは、
――俺の顔を見て、驚愕の表情と共に瞳を大きく見開いた柏木さんだった。
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