DNA治療

@michi551

第1話 寿命

「よっ、薫は、申し込んだの?」

「当たり前じゃん。DNA治療して、痩せ体質にするんだ。」

「それさぁー、DNAのせいじゃなくて、食べすぎなだけじゃないの?」

「そんなことないよー。あぁ〜、当たらないかなぁー。小夜は、申し込んでないの?」

「うん、まだまだ未知の領域じゃない。拒否反応起こして亡くなった人もいるとか言ってるじゃん。怖いよー。私は、そんなのに頼らず、自力でなんとかする。」

「小夜は、体型気にしなくていいから、いいよねぇ。私なんか水飲んでも太っちゃうもん。」

「あはは、小夜が口にしているのって、水だけじゃないと思うよ。」


医療がAIとリンクして、総合診断も処方箋も全国どこにいても的確になり、病人が激変した。

病気で亡くならず、老衰での死が増えているそんな中、DNA治療が主流となり、薄毛や肥満、近視等を治療する人々が年々増加した。

いまでは、申し込みの中から抽選で受けられる人が決まる。

小夜は、そこに申し込んだのだ。


「厚生労働大臣、今回は、どなたを残しますか?」

「さきほど、リストを見たが、誰も残さなきゃいけないような人物は、いなかったな。全員廃棄で処理してくれたまえ。」

「全員は、さすがに無理がありませんか?

1万5千人くらいの応募ですよ。」

「いつものように拒否反応で2人が死亡としておけばいい。人数などとこも把握していない。それでなくとも死亡数が少なく、食糧難の苦情が毎日何件あると思う。社会に必要でない人物は、害毒だ。それなのに、痩せたいだの、髪がフサフサになりたいだの言っている輩は、いらん。」

「わかりました。そのように処理いたします。」

「うん、よろしく頼む。」

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