第43話 昔の物語(7)
「じゃ、その
「意外かも知れないけど、この人もいたかどうかわからないのよ」
「はい」
藩主の娘かどうかわからない、という話はネットで見ていたので、それほど意外ではない。
先生は続ける。
「お家騒動があって、それを幕府が調査した調査書みたいなのがあって、それを要約して書き残した文書が残ってるんだけど、事件に女の人が関係していたということまでは書いてある。その女の人がそのお姫様かも知れないけれど、でもそうじゃないかも知れない。その幕府の調査っていうのは、当然、目的を持ってやってるわけだから」
「目的、ですか?」
「うん。藩のほうは一度は取りつぶしの可能性を考えた。そのころのここの藩ってスキャンダル続きなのよ。ふつうに考えたら、そのうちの一回でもお取りつぶしで当然なくらい。だからさ、あとで藩主の地位を継ぐひとが、もう
「あなたたちぐらいのかわいい少女」の「あなたたちぐらい」が「かわいい」にもかかるのか、それとも「少女」にしかかからないのか。
つまり、みちると
気になるけれど、きかないことにする。
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