どんでん返しおねショタ(お姉ちゃん視点)

「どうして…?」


ショウタくんはまるで死人が突然生き返ったかのような表情をしている。って、それって今の状況のことか。


「ショウタくん、いくら私のことが好きだからって屍姦は感心しないな~」

「いやいや、でも、というか、そういう問題じゃなくって…」


どうやらショウタくんは相当混乱しているらしい。

まあそれは当たり前の話で、ショウタくん視点だと死体として今転がっている分と、今こうして自分に話しかけている分の二人のお姉ちゃんがいることになっているのだから、そりゃあ脳の処理も追いつくはずがない。


ショウタくんは可能性を探るように私に尋ねる。

「もしかして、お姉ちゃんのクローン…?もし本体が死んだときのために作っておいたとか…」


ふふふ、いかにも幼い子が考えつくような発想でかわいらしいくて頬が緩んでしまう。クローンが出てくるようなアニメでも最近見たのかしら。

でも、現実はそんなかっこいい展開にはならないの。


「私はクローンなんかじゃないし、ましてや双子の片割れでもないよ。まぎれもない本人。」

「じゃあ、あの死体は何なのさ!まさか、赤の他人とでも言う気!?」

「いや、あれも私。そうね、正確に言うなら今こうして喋ってる私はもう、私じゃないのかな。」

「な、どういうこと…?」


さすがに勿体ぶりすぎたかな。これ以上混乱させる理由もないし、ちゃんと真実を言ってあげることにする。


「実はね、ショウタくんももう、死んでるの」

「え…?」

「もちろん、私も死んでる。つまり、私たち二人は今、幽霊ってことだね」

「え?僕がもう死んでるって…?」


そう、実はショウタくんもすでに死んでいたのだ。

死因はどうやら交通事故だったらしい。あまりにも突然のことだったから、当時の記憶が無くなっているのだろう。

下校途中での交通事故だったということもあり、そのまま思念だけが帰宅を続け、今に至るといったところだ。


「でも、それじゃあおかしいよ!なんでお姉ちゃんまで死んでるのさ!それに、僕はお姉ちゃんを殺したっていう記憶はあるんだ!死んでる人間にそんなことができるとは思えないよ」

「私も同じ日に死んじゃったの。突然の死だったから、きっと心臓発作とかが起きちゃったのかもね。ショウタくんは私のことを愛するあまり、私を殺すことを幻視として見てしまって、それが記憶と混在しちゃってるのかもね」

「そんなことが…」


そんなことが、あったんだよ。


でも、せっかくこうして幽霊として現世に留まることができてるんなら、幽霊としていれる今のうちにショウタくんを堪能しちゃおっかな♡

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

どんでん返しおねショタ レベルNデス @lv5death

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ