はなのごはん アラカルト

作者 ユト

80

27人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

日々の細やかな食卓を暖かくいろどる《はるのごはん》の御惣菜はいかがですか?

たかが食。されど食。
食事の風景にはその御方の人となり、経験、その時の細やかな心境が現れるものです。ひとつの食から故郷を想いだすひともいれば、愛する誰かの姿を想い描くひともいて、……だからこそ食はやさしい。

食を書くことは人を書くことです。
こちらの著者様は卓越した文章力と、生活感のある細やかな描写をもって、食を通して人を書き、人を通して食を書いておられます。まさにいま、目の前で湯気があがり、食卓の風景が香りと一緒に拡がるような。
読んでいるうちにお腹が減ることまちがいなしです。

お腹は減って、こころは満ちるそんな素敵な読書時間……
ぜひとも召しあがれ。

★★★ Excellent!!!

やはり料理を題材とするからには、表現にこだわる詩人の美学と人情を解する心意気が必要なのだなと痛感させられました。
どこか満たされない毎日を過ごす お客さんが訪れたのは、何気ないレトロなお惣菜やさん。美味しいだけでなく気遣いたっぷりなその料理が、皆のお家に笑顔と元気をお届けします。

料理ひとつひとつの特徴と食材を作者様の深いこだわりと、家庭的な優しさに満ちた文章で描かれています。

貴方の感じている空腹は、もしかすると胃袋ではなく、心が感じているものかもしれませんよ? 心の底から温まる優しさいっぱいな作品をお求めであれば、是非!

★★★ Excellent!!!

食べることが好き。
食べ物が好き。
あたたかくなる話が好き。
そんなあなたにお勧めします!

本当に、食べ物の描写と食事の描写がお上手で、一品一品にお腹を鳴らしてしまいます。
言葉から滲む色彩も鮮やかで、頭で思い描くのも楽しい。そんな作品です。

短編から読ませていただいてますが、本当に全てが美味しそうで、『はなのごはん』を探しに町に躍り出たくなるほどです。

素敵なのは、お腹が満たされて「はい、おしまい」ではないところ。
食事によって、凝り固まった心も解きほぐされる。ほぐされるから、一歩を踏み出せる。そんなあたたかなお話なのです。

是非、短編と併せて、疲れている人にこそ読んでもらいたい作品です。

素敵な作品をありがとうございます!

★★★ Excellent!!!

読ませて頂きました!
こちらはある日常を切り取った短編小説。なんといっても魅力は、文面から伝わる『生活感』です。疲れも伝わってくるし、腹も減ってくるし、飯も美味そう。そんな風に読者もつい気を許してしまう、確かな文章力があります。
 幸福や空腹を満たすスパイスは、満足感を得る事だけではない事を教えてくれる作品です。