第30話 呼び出し

 研修三日目がスタートした。

 もうやることは決まってる。

 朝食をとったらまずはランニング。身体強化を使い、往復240㌔の道のりを走る。

 俺は全員に魔法による負荷をかけながらみんなは負荷をはねのけながら。ひとりひとり調節して、同じ速度で走れるようにする。

 戻ってきたら型の稽古。一通りの基本となる方を、全員に体験させてから、それぞれが練習。

 それが終われば、魔界と魔の森に別れて実践訓練。

 そこから戻れば、座学と実習。

 みんなにとっても、魔物たちにとっても、スキルアップ出来る充実した研修が送れるはずだった。


 事態が動き始めたのは、三日目が終わり、夕食をとり、まったりとしはじめたときだった。


 蓮「いやーマジで充実した研修になってるな!内容はハードなはずなんだけどみんな生き生きしてるし、良かったよ!これで神楽商会は安泰だな!平和ってのもまたいい!」


 ルナ「あーーー!!!蓮くんそれフラグだよ!!」


 蓮「そんなマンがみたいなことが実際、、」


 ラム「ますたー、マリアちゃんが来てほしいって~」


 おいおい、マジかよ。

 いや、まだいってみないとわからない。原因が分かったとかそっちけいかもしれないし、犯人が捕まったとかな。


 蓮「ラム君にってことは緊急だよなー。とりあえず、俺、ルナ、アリス、エマの四人で行こう。人がいるようだったら、みんなにも手伝ってもらうよ!」


「「「はい」」」」


 俺たち四人は、急ぎでバルトロッテへと戻った。


 すると、マリアさんは家で待っていた。ただ、それだけじゃなくて、サキさん、カノンさん、も一緒にいる。


 蓮「遅くなってすみません。えっと、どうされました?」


 マリア「すみません。夜なのに呼び出してしまって。その、何から話せばいいか」


 蓮「えっと、複数あるんですね。どれも緊急のことだとは思いますが、まずは命が関わるようなことがあればそれから。そうでなかったら、話しやすいのから教えていただけだら」


 マリア「そうですね。まず、大司教様が死病を発病してしまいました。」


 蓮「死病をですか?大司教様と言うのは教会でも結構上の地位かと思うのですが、、とそんな場合じゃないか。治療を優先します。えっと、それ以外の話しも緊急性があると思うので、ルナに話してみてください。俺が出来ることはすでに把握してるので、ルナ任せたぞ!」


 ルナ「任せてよ!」


 死病かよ。穏やかじゃないねー。しかも大司教って。


 マリア「その、なにも聞かずに治療をしていただけるのですか?」


 蓮「俺はマリアさんを信頼しています。そのマリアさんが頼むと言うことは、信頼できる人物でしょうし、必要なことだと感じました。急ぎましょう!早ければ早いほど治療の負担が少ない!」


 マリア「ありがとうございます!こちらです!」


 と言うわけで、教会の一室に案内されたそこには、瘴気を発している人が寝かされていた。見習いの方々によって、進行を遅らせてるようで、これならすぐに治せる。


 蓮「いい判断です!これならすぐにもとに戻せます。」


 俺はすぐに治療を始めた。

 これは6人と同じタイプ。じわじわ侵食系だな。


 まあすでに7回目な訳で、症状も初期だ。

 魔核をリンクする必要もなく、すぐに、変質を治して、身体の浄化を行う。


 蓮「これでよし!初期の初期でしたから余裕でしたね」


 マリア「ありがとうございます。」


 ミエル「ありがとう、、ございます。私は、、ミエルと申します。救って頂きありがとう、、ございます」


 ミエルさんは女性の方だった。この世界もまた男社会なところがあるから女性でありながら大司教とはすごいな。

 しかも今となっては少数派の真面目路線。敵も多かろう。


 蓮「感謝は受けとります。ですが、まだ病み上がりですのでゆっくりとなさってください。それに栄養も足りてなうようですし」


 ミエル「すみません。ですが、、この街の、、、」


 と言って寝てしまわれた。


 蓮「うわーこの街、て聞き取れたんだけど、メチャクチャ気になるワードだがさすがに起こすわけにもな。何か心当たりは?」


 マリア「そもそもこの時期は地方区の大司祭、司祭、司教、の方々が集まって話し合いが行われてまして、そこから帰ってきたらこのように。」


 蓮「まあそこでなにかを知ったか、元々知ってて乗り込んだか、、、色々と推測はできるけどなー。まぁここは危険かもしれませんので、全員、家へ移動してください。」


 いやー参った。

 今の単語だけど推測するならこの街は危険なのか?



 んー。目覚まちか。


 ルナ「蓮くん!治療は?」


 蓮「治療はうまくいったよ。気になることはあるけど、ミエル様が目覚めてからだな。でこっちは?」


 ルナ「カノンさんとサキさんのお兄さんと、マリアちゃんのお姉さんが夫婦だって、その娘さんがナミちゃんなんだけど、その兄姉夫婦と、三人のご両親が同時期に死病で亡くなってるのね。で、兄夫婦は宿屋を経営してたんだけど、建てる際にどうやら借金をしてたの。借金と言うよりも住宅ローンみたいな感じね。ただ、今の今まで三人はその事を知らなかったの。その理由が、五年毎の支払いだったから。で、宿屋だったところは今は自宅として使ってるけど、売ったところですぐに買い手もつかないし、評価額も全然足らないみたいなの。このままだと奴隷になるしかなくて、それならと蓮くんに身売りに来たの」


 蓮「話は分かったし、色々とおかしいけど最初の行動が身売りとかおもすぎるよ。で、ルナの答えは?」


 ルナ「家を神楽商会が、残金の値段で買うからって言っても納得できないみたいだから、それプラス家で働かないかって勧誘してる。」


 蓮「ナイスだな。で、二人の答えは?」


 カノン「その、奴隷になればすべてが収まるのでは?」


 蓮「いや、土地もほしいから。それにわざわざ奴隷に落ちることもないでしょ。何にも待遇に差もないわけだし。受付嬢の二人とかマジで有能だから喜んで雇わせてもらうよ!住み込みでいいし!で、その訳のわからない返済ローンはどこのやつ?」


 カノン「マスタング商会です。ポーションの販売と、貿易、不動産と幅広く手掛けてまして、この国でのバックはマルボリー子爵ですね。元々はポーションは作ってはいたけど程度でしたが、飲みやすいものを開発されてから爆発的に人気となってます。」


 蓮「あれ?教会がポーションの販売をしてるんじゃないの?」


 カノン「いえ、そのような話はありませんよ?」


 マリア「教会ですと、魔力ポーションとスタミナポーションはよく使います」


 蓮「あぁ俺の思い込みか。ごめんごめん。回復関係は教会かと。で、死病が同時期に6人。あれ?仮にここが黒幕だとして、教会は関係なくなるよな。と言うか、暗殺用として使ってるのか?んー訳がわからないな。とりあえずその商会は状況的に黒だろ。でも、、、いや、ポーションよく使うの??」


 マリア「はい。治療は魔法で行うことが多いですが、魔力の回復であったり、体力の回復には」


 わぁーおそうだった。家でもバンバンに使ってるや。料理からのみものからお風呂まで。飴ちゃんのが使い勝手いいから抜けちゃってたよ!テヘペロ。っと損なんじゃなくて、


 蓮「マリアさん!!そのポーションを見せて!」


 マリア「はいこちらがそうです。」


 ポーションを受け取った俺は、アイテムボックス鑑定。、、、問題ない。

 いや、品質が悪いな。

 下級、中級、上級、特急のランクと秀、最優、優、良、可の品質がある事は俺は調べた。

 だがどんなに適当に作っても、良、可になることはなかった。混ぜ物をしない限り。俺の場合は味をつけるのに、色々試して、物によっては効能が落ちるのがあるなーといった位かな。ただ、優と良ではあまり差がないから、飲みやすさを優先したってのも考えられるけど。


 蓮「品質が悪いみたいだけど、この街では普通なのか?」


 マリア「今では良のものが普通ですね。マスタング商会がシェアを大きく伸ばしたのも、効能がほとんど落ちずに飲みやすいと言うのが特徴ですし」


 、、、これもう確定だろ。


 蓮「マリアさん、あるだけ全部ください。」


 と言って、在庫分を全部いただいた。

 さて、、、、魔力関知の制度をあげる。


 、、、あーあ。マジかよ。これはまずい。ビンゴだ。


 蓮「はぁーー。うまくいかないなまったく。アリス、エマ、レオンさんに報告。マスタング商会は真っ黒だ。それと、ポーションを止めないとまずい。ラム君、魔物たちに通達。聖属性の魔石を溶かした各種ポーションを作成。中級と初級で品質は良。味はみんなで協力してくれ。それとは別にエナジードリンク。回復ポーションと体力ポーションの組み合わせで、量は少し。毎朝のみたくなるような元気はつらつになりそうなそんなイメージ。こっちは特級の最優で。それと、飴ちゃんも、出そうか。これは初級と中級でいいから。ポーションは値段は据え置きでやる。エナジードリンクと飴は値段も決めてくれ!あっサキさんとカノンさんは開発に加わって。カノンさんは値段を主に、サキさんは冒険者にすすめ安い、個数だったりとかを考えて!ポーションは現在流通に乗っかってるものは全部無償交換する!その際に飴とエナジードリンクの試供品をつけよう!それと、アリスたちは、レオンさんみたいな有力、かつ評判のいい貴族の名前を使わせてもらえないかを聞いてくれ!マリアさんはミエルさんが起きたら教会のなかでも清廉派なんと言うのか分からんけど、腐敗してない組の名前を使わせてもらえないかを交渉してくれ!あっカノンさん!!俺たちの商会のランクは、ここに入金したら上がるのか?」


 カノン「上がります」


 蓮「なら即入金してと、これでSrankだからどこでも出せるな。ルナは交換販売の屋体の作成と、会員証の作成。それとパッケージデザインだな。これを期に顧客情報をゲットする。あとは、何年間販売してるとかも調べてくれ!みんなやることはわかったな?」


「「「はい!」」」


 蓮「俺は発病した人の特効薬を作れるか試す!じゃあ行動開始!」


「「了解」」


 蓮「これはまずいよなー。あの六人はなりきってなかったけどなりきってたら暴れまわるのか、最悪なのは統率できるときだよなー。いやどっちも最悪か。そもそも耐えられなかったら亡くなるわけだし。アホなことをするよ。大量虐殺もいいところだよ。、、、三年ってまさかこれのことじゃないだろうな。、、、いや違うか。ミエルさんは他の人よりも飲む機会が多かったとしても、他の人たちも可能性はあるわけだからな。あとは教会の人間がこの事を知ってたかどうかでも話は変わる。あれ?、、、、マリアさん、このポーションは?」


 マリア「こっちのは高品質のですね。高いのでそのあちらの教会でしか使ってません。こちらは念のために数本だけ保管してます」


 蓮「これは、含まれてないな。となると余計にあやしくなってくるが、、、特効薬。薬を作るのは難しいけど、常に浄化させる装置は作れるよな。そしたら進行は止まる。ただ変質を治すとなると、純粋な魔力を当てないと行けない。あー難しく考えすぎたな。無属性の魔石を作れるんだし、この魔方陣はどうみても六芒星になる部分が属性を決めてるから、これを六角形にしたら、、、無属性!!完璧だな!あとはこれは照射して魔核に当たるのか問題だが、、、、くふっ。強すぎた。、、、これでどうだ、、、これならいいな。ルナ!ちょっと寝て!」


 ルナ「ここに?分かった」


 ルナで試してみたが、確かに魔核を照射してるが少し様子がおかしい。

 、、、エロい。ここにはマリアさんも居るから声を我慢してるが俺には分かる。


 ルナ「はぁはぁはぁ、、、、もぅ!」


 これは他人の魔力だからか、眷属だからかわからない。


 蓮「なんかすまん。ただ、眷属だからその程度なのか、眷属だからそうなるのかわからない。ちょっと俺は席をはずすから二人で試してもらえないかな」


 マリア「え??」


 ルナ「そだね。もし痛かったりするとだからね。じゃー蓮くんは出てって」


 と言い出ていき、少しして呼ばれた。


 ルナ「えっと、治療に成功したら分かりやすいからいいんじゃないかな。、音だけ漏れないようにしたら。」


 そこには、真っ赤になってるマリアさんが、、、ふれまい。

 意識を全力でそらせて話を続ける。


 蓮「それもそうだな。まあ、悩んでもどうにもできんしな。ならこれにしよっか。」


 さて今後の動きはどうしようか

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破棄された無人の地からの成り上がり。スライムと共に強くなれ ボスおにぎり @bossonigiri

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