応援コメント

第12話 WHERE」への応援コメント

  • 水着回!

  • 拾弐話

    今回は当作品においてバイオレンス描写の無い貴重な回である。
    こちらものんびりと読み進めたい。


    前回の悲劇からすっかり立ち直ったかのように振る舞うトワガールズ。いや内心とは別に前へ進む為に敢えてそうしているのであろう。胸が痛む。
    沖田レイン。
    彼女もまた内面の傷を隠すかのように……って全力で沖縄楽しんでないかぁ!?
    いや、とか言いながらもやはり強がってるだけなのかもしれ……あ、でもアノ沖田レインだしなー。
    そして次代の王を宣言する。その相手はコリアン・アサシン集団だ。


    ここからは穏やかなBGMが聴こえるシーンが続く。

    とはいえイチャコラシーンは前にも増して、倍増である。半額セール一挙放出である。

    「――ヒデアキくんって前から思ってたけど、けっこう、すごいエッチだよね?」
    「ーー全然エッチじゃないよりは、いいけど」
    今回のエッチなお姉さん枠はジーイちゃんである。

    ジーイは顔を火照らせて「おいしい~!」と言った。
     あと、ほっぺたおちる~! も言った
    「もう一杯だけ! もう一杯だけ!」
    可愛い枠も、ジーイちゃん担当である。

    前カレの存在を仄めかされて曇るヒデアキ。
    わかります、とキリンの顔をしながら頷く。

    「えっ、もう――」
    「――あたしの身体、好きにしてるから」
    「えー、違うよ。――あ、トリィは、誘惑してるかも?」
    ンンン やっぱりエッチです。

    甘い雰囲気の中、差し込まれるは「エヴリアリ」の物語。
    無論本作品タイトルの事だ。

    「ヒデアキくん、エッチの前は敬語忘れちゃうの、可愛くて好きだよ?」
    でもすぐに……。もう、若いって良いよね←

    そしてクリエイター・テトラの一面が露わになる。

    この辺大好きなシーン。
    ステージでは神々しい女神様が、地上に堕ち、創作にもがき苦しむの。
    その姿が生々しい。すごくよく伝わってくる。
    良い。実に良い。

    「これ歌ってたときのあたしブチのめしたい」
    「ああもう、きっと沖縄って場所が悪いんだよ。ぜんぶ沖縄のせい」
    「お前才能ないんだからもうやめろー、ばか」
    「――なにが良い曲で、なにが悪い曲なのか分からなくなってきた」

    あゝ、創作に悩み苦しむ名言の数々よ!!

    無から有を生み出す苦労は途方も無い。正解などなく。誰も助けてくれない。
    ある日突然降りてくる事もあれば、何をやっても出てこない時は出てこないのだ。
    クリエイターに定時は存在しない。ただ〆切だけが存在するのだ。
    従って時給換算も無く、固定給も無い。無い無い尽くしである。
    無限地獄とはこのことかと。
    故に、かの人たちは尊い。私は全てのクリエイターに敬意を表するであろう。



    「――エヴリアリ」
     とテトラは言った。
    「曲のタイトルは、『エヴリアリの群青』にするよ」

    タイトルが決まった。
    映画ならここでハッピーエンドで良いかもしれない。
    感動的なBGMが鳴り響く中エンドロールが画面を流れる。
    そして照明がつき、映画は終わる。
    人々は劇場を後にして再び日常へと溶け込んで行く。

    どっこいそうはいかないクリエイター

    「うるさい! 黙れ!!」
    一向に先が見えないもどかしさに耐えかねて、行き場のない怒りの矛先が恋人へむかう。

    こっからがまた可愛いンだわ←


    「あ、あのヒデアキくん――ごめん、ほんとごめんね? ごめんなさい」
     あ、だめだ。なんか無性に泣きそうになる、と思った。
    「許してほしい――です」
     ああ。
     愛している、と自分の心で思った。
    「嫌わないで――ください」
     そう言えたあと、結局はポロポロと泣いてしまった。

    そりゃあ私の中のきぶりジジイが目を覚ましますよ。ええ、もうね。

    そこへヒデアキ必殺のゴーヤチャンプルーが炸裂する
    胃袋を掴まれた恋人はもうメロメロだ!


     あたしのほうが、不安なんだよ。
     あたしのほうが、本当はなにも持ってない。
     音楽しかないんだよ。

    この辺もすごく好き。
    天上の女神様が限りある命の人間に憧れる、みたいな。
    天才が持つ、本人にしかわからないコンプレックスみたいな描写。
    上手いなーって思う。

    「今日はもう作曲の作業は休もうかな」
    きぶりジジイ「」


    こんだけ甘い回の次に特訓修行編を持ってくる籠原先生ェ……

    To Be Continued ➡︎

    作者からの返信

    >前回の悲劇からすっかり立ち直ったかのように振る舞うトワガールズ。いや内心とは別に前へ進む為に敢えてそうしているのであろう。胸が痛む。
    →いわゆる「トワが気に入る女はみんな威勢がよくて気丈」というやつですね。

    >とはいえイチャコラシーンは前にも増して、倍増である。半額セール一挙放出である。
    →どこかで描きましたが、私は『リリィシュシュのすべて』の旅行シーンとか『べニーズビデオ』の旅行シーンとか好きで、そういう、ちょっと作品的には間延びするやつをあえてやってみたかったんです。
     それに『ソナチネ』も好きなので舞台は沖縄にしましたw

    >可愛い枠も、ジーイちゃん担当である。
    >ンンン やっぱりエッチです。
    >でもすぐに……。もう、若いって良いよね←
    →ジーイ、エロすぎワロタ。

    >この辺大好きなシーン。
    >ステージでは神々しい女神様が、地上に堕ち、創作にもがき苦しむの。
    >その姿が生々しい。すごくよく伝わってくる。
    >良い。実に良い。
    あゝ、創作に悩み苦しむ名言の数々よ!!
    >無から有を生み出す苦労は途方も無い。正解などなく。誰も助けてくれない。
    >ある日突然降りてくる事もあれば、何をやっても出てこない時は出てこないのだ。
    >クリエイターに定時は存在しない。ただ〆切だけが存在するのだ。
    >従って時給換算も無く、固定給も無い。無い無い尽くしである。
    >無限地獄とはこのことかと。
    >故に、かの人たちは尊い。私は全てのクリエイターに敬意を表するであろう。
    →実はここ、すごく珍しく率直に籠原スナヲが創作論の話をしてますよね。

    >そこへヒデアキ必殺のゴーヤチャンプルーが炸裂する
    >胃袋を掴まれた恋人はもうメロメロだ!
    →籠原スナヲの小説名物「料理上手のイケメン」w

    >この辺もすごく好き。
    >天上の女神様が限りある命の人間に憧れる、みたいな。
    >天才が持つ、本人にしかわからないコンプレックスみたいな描写。
    >上手いなーって思う。
    →テトラとヒデアキの、「お互いがお互いに劣等感もコンプレックスもある」関係、いま読んでも「じれってーw」ってなりますねw