第29話 謎コール
「はふぅ………」
風呂に入った後、ベッドに腰掛ける。
しばらくスマホを触っているとせつからメッセージがきた。
『今日は一緒に遊べて楽しかった! 今度はプールとか作戦会議とかで会おうね!』
「作戦会議かぁ……」
伊織をぎゃふんと言わせて分からせる。
最初は無謀と思っていたが……
『無理だ。俺はお前の兄失格だ』
『っ………』
感情にまかせて話していた俺だったが、この言葉だけは覚えている。
そして言われた瞬間、伊織の顔が泣きそうで、悲しそうで、聞きたくなさそうで……色々な感情で一瞬、顔が歪んだのとを。
今日も部屋に篭っているのだろう。最近じゃリビングにも現れなくなった。
「っと、いかんいかん。既読つけてるし俺も返信しないと……」
メッセージとスタンプでも送ろうとした時だった。
ブーブー
通話の画面に切り替わった。
知らない番号だ。
無視して上にスクロールしようとしたが、誤ってボタンを押してしまった。
「あっ、やべ……えーともしもしー……って、あ?」
スマホをすぐに耳から離す。何故ならガチャと通話を切られたらから。
「イタズラか? ったく……」
今度から知らない番号は無視だ無視だ。
◆
「……ふーん。ちゃんとシュウが出るのね」
「ちょっとサンちゃん〜。もう夜の8時よ。お店はとっくに閉店してるんだから」
「マスター。アタシ撮影頑張ったのだけれど」
「だからわたしの賄いを食べたいって顔してるわね。はい、オムライス。もう、サンちゃん限定なんだからねっ!」
「さすがマスター。できるオンナノコだわ」
「まっ! 褒め上手なのだから♪」
彼女に褒められたマスターはご機嫌な様子で厨房へと戻った。
1人残された彼女は、スマホをテーブルに置くとくすっと微笑んだ。
「久しぶりにシュウに会うことになるけど……色々と聞くことがありそうね。特に、女性関係……うふふ」
【あとがき】
ネタ切れになりました💦
ちょっと考える時間をください!
イケメン妹に「好感度マイナス15の兄」と言われた俺だけど、美少女にはモテるようで……。 悠/陽波ゆうい @yuberu123
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