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2022年8月24日 00:32
レビューにほぼ感想みたいなものを載せてしまったので、ここでは、話数を問わず、総合的に見て、特に気に入った部分を書こうと思います。 私がこの作品で興味を引かれているのは、・麗の目的における咲穂の役割・響葵とねね、蒼牙の関係の始まり・記録者の立場です。 麗の目的については、二章の「白い孔雀」で瑞綺に伝わったビジョンから、戦いを防ぐか、被害を最小限に抑えることが目的なのでは、と想像できます(なんとなく善人の気配を感じ取っただけなので、本当に想像になってしまいますが……)。 しかし、今のところ、一年前に救われたばかりの咲穂に特別な力があるようには見えないため、項に残された刺青に何らかの機能があるのやも、と考えました。 三章の「絡まる赤い糸は、身を滅ぼす契り。」「一番嫌いな名前」で、蒼牙のピアスも葉月からの貰い物だと分かります。普段は付いていないはず、ということは特殊な状況下で顕現するお役立ちアイテムなのかもしれません。状況を選ばず、咲穂の刺青が見える状態なのは、血の繋がった兄妹だからということなのでしょうか。 響葵とねね、蒼牙の関係の始まりは、二章「99%の同情」でギュッと暗示されています。鳥を用いた感傷的な表現・「白い孔雀」に共通する麗の昔の快活さ・孔雀の羽の描写から、響葵と麗に関わりがあったこと、ねねは麗が託した少女だということが分かりました。響葵と蒼牙の始まりはまだよく分からないものの、二人の間で「魔物(葉月)」の存在が通じていることから、葉月が関係しているのだろうと思います。麗もそうだけれど、葉月も何気に色々なところに顔を出していて、行動が読めませんね! そして、記録者の立場です。御作の合間合間に挟まれる記録文書を、全て書き手が同じだと仮定した上での感想になります。 一章「宵闇の麻薬」で優生思想に基づいた仕分けシステムを肯定するような記述がある一方で、「白い孔雀」の記録文書では、そんな思想をシステム化した政府と、それの恩恵を受けている人間の醜さを批判するような記述があります。「一番嫌いな名前」における、大戦参加者と不参加者とでの意見の相違が一番、書き手の本音に近いと思いました。 人間の頼りなさから技術を頼る旨が綴られており、言い換えれば、「宵闇の麻薬」、「白い孔雀」で記した優生思想は書き手の人間批判を実行するためのお題目に過ぎなかったと推察します。 ならば、書き手はなぜここまで顕著に思いを吐露してしまうのか。案外、文章の外では、吐き出した思いの分だけ、現実を受け入れ、落ち着き払っている人物なのかも、と妄想してしまいました。少なくとも、制度のために掲げられた優生思想を馬鹿らしく思っているのは伝わってきます。 今回「アマテルノテンシ」では、朱音に瑞綺のことをどう話すか迷っているうちに展開が進んだので、少しホッとしています。どちらにしろ、瑞綺がニアを買ったら、咲穂の意図が朱音に伝わることは防げません。 長くなりましたが、総合的に見て、特に印象に残った部分の感想を書かせていただきました。 推測が多分に混ざっているため、誤りがあったらすみません。 続きも楽しみにしております。これからも執筆頑張ってください!
レビューにほぼ感想みたいなものを載せてしまったので、ここでは、話数を問わず、総合的に見て、特に気に入った部分を書こうと思います。
私がこの作品で興味を引かれているのは、
・麗の目的における咲穂の役割
・響葵とねね、蒼牙の関係の始まり
・記録者の立場
です。
麗の目的については、二章の「白い孔雀」で瑞綺に伝わったビジョンから、戦いを防ぐか、被害を最小限に抑えることが目的なのでは、と想像できます(なんとなく善人の気配を感じ取っただけなので、本当に想像になってしまいますが……)。
しかし、今のところ、一年前に救われたばかりの咲穂に特別な力があるようには見えないため、項に残された刺青に何らかの機能があるのやも、と考えました。
三章の「絡まる赤い糸は、身を滅ぼす契り。」「一番嫌いな名前」で、蒼牙のピアスも葉月からの貰い物だと分かります。普段は付いていないはず、ということは特殊な状況下で顕現するお役立ちアイテムなのかもしれません。状況を選ばず、咲穂の刺青が見える状態なのは、血の繋がった兄妹だからということなのでしょうか。
響葵とねね、蒼牙の関係の始まりは、二章「99%の同情」でギュッと暗示されています。鳥を用いた感傷的な表現・「白い孔雀」に共通する麗の昔の快活さ・孔雀の羽の描写から、響葵と麗に関わりがあったこと、ねねは麗が託した少女だということが分かりました。響葵と蒼牙の始まりはまだよく分からないものの、二人の間で「魔物(葉月)」の存在が通じていることから、葉月が関係しているのだろうと思います。麗もそうだけれど、葉月も何気に色々なところに顔を出していて、行動が読めませんね!
そして、記録者の立場です。御作の合間合間に挟まれる記録文書を、全て書き手が同じだと仮定した上での感想になります。
一章「宵闇の麻薬」で優生思想に基づいた仕分けシステムを肯定するような記述がある一方で、「白い孔雀」の記録文書では、そんな思想をシステム化した政府と、それの恩恵を受けている人間の醜さを批判するような記述があります。「一番嫌いな名前」における、大戦参加者と不参加者とでの意見の相違が一番、書き手の本音に近いと思いました。
人間の頼りなさから技術を頼る旨が綴られており、言い換えれば、「宵闇の麻薬」、「白い孔雀」で記した優生思想は書き手の人間批判を実行するためのお題目に過ぎなかったと推察します。
ならば、書き手はなぜここまで顕著に思いを吐露してしまうのか。案外、文章の外では、吐き出した思いの分だけ、現実を受け入れ、落ち着き払っている人物なのかも、と妄想してしまいました。少なくとも、制度のために掲げられた優生思想を馬鹿らしく思っているのは伝わってきます。
今回「アマテルノテンシ」では、朱音に瑞綺のことをどう話すか迷っているうちに展開が進んだので、少しホッとしています。どちらにしろ、瑞綺がニアを買ったら、咲穂の意図が朱音に伝わることは防げません。
長くなりましたが、総合的に見て、特に印象に残った部分の感想を書かせていただきました。
推測が多分に混ざっているため、誤りがあったらすみません。
続きも楽しみにしております。これからも執筆頑張ってください!