うそつきマミカのお茶会ごっこ
倉井さとり
うそつきマミカのお茶会ごっこ
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その中央に
ティーテーブルを囲むのは、ご想像どおり、木製のイス。そしてご
このつくり話の主役――マミカは、北に位置するイスに腰かけている。
マミカがしきりに
「アタシって
マミカはどこか
ティーテーブルのまんなかに放置されたままの
西がわのイスに
マミカはいきおいよく頭をふりおろし、ティーテーブルにひたいを打ちつけた。うすれゆく意識のなかで、マミカは思う。「『死』とはなんだ?」――「たしかに言えるのは、それは、『セカイの外がわ』じゃあ、ないってこと」――「それにしたって、なぜこうも……アタシ、の……人生は……右肩あがりな……の?……」
――アイキャッチ――
――アイキャッチ――
ティーテーブルの
すみに追いやられるように置かれたシュガーポットのなかには、だれかを
「思えばありふれた話だよな。
眼球はそう
眼球がその
言うまでもないことであろうが、
まばたきの夢だ。
これ見よがしに
――前触れだとか、予感だとか……そんなのはみんなウソツキ!――
マミカは右脚が「ビクッ」となるので目覚めた。
「……ムニャムニャ……ここはいったいどこの
きっかり二秒後。
マミカはハハアと思いだす。
ここはアタシ以外。アタシはセカイのラチガイ。
「……人殺しなんて、気の持ちようよね……」と独りごちるマミカをよそに、ティーテーブルの向こうがわに
マミカは空耳に
マミカは、
「いっくよー」
そう言ってマミカ、バターナイフを頭のうえにかかげ、すぐにふりおろす。
ティーテーブルごと真っ二つになった人工パンケーキ、なぜかしゃべりだす、「おいっ!」「なんだよこれ?」「オレが――ふたつになっているじゃないか……」「でも」「なにやら」「……ラブだし」「ピースでもある」
マミカ、頭を左右にゆらゆらさせる。マミカの首のスジはゆるいので、首の骨がコリコリと鳴る。「あ~あ、甘いのはもうあきちゃった。その生け
胃からせりあがる
「ハハーン、さてはこのセカイ、ちょっぴり
<真理>を得たマミカ、
左拳を天に突きだし、
「これはとにかくセカイのピンチよ。
もうアタシの
ここはアタシが、ひと肌
死ぬほど深い心変わり。それは秋の空の地位を低め、地上にひきずり落とし、結果として天国を
「いまだから言うけどさ、
天国なんて、
パンフレットを見るだけでお
塩辛きものたちの
完全に吹っ切れたマミカ、
ついに、
<おとぎの国のマミカ>へと
必殺の
「みんな、いままでありがとう」、マミカ、セカイにひとつ投げキッス。
――チュ――
ちょっとだけ
「そんじゃあ、いっくよぉ~……いっさいがっさーい……死なばもろともぉ~……みぃんなまとめてぇ~…………ぶちのめしてやるぅーーッ!!」
そう言ってマミカ、奥歯をフルパワーで「ガチッ!!」と
その瞬間セカイは中心を失い、<キュートな断末魔>をあげながら大爆発を起こした。
あとにはただ、焼け野原となった
それからオマケに、<おおきな話の
しかし、
そして、こんがりと焼け目のついて食べどきな空間を、デジャブを鼻で笑うような
うそつきマミカのお茶会ごっこ 倉井さとり @sasugari
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