話の受け取り方はそれぞれだか非常に良くできていると思いレビューさせていただきます。
よく見るタイムリープする話であるが、この話が他の小説と違う所といえば主人公の由利花は今の生活をほぼ満足している所である。唯一不満なのが結婚が遅れた為に高齢出産になり妊娠が難しく子供を持つことを諦める必要もあるかもしれないということ。
そんな生活の中タイムスリップして五歳まで遡る事になる。由利花は人生をやり直す事によりもう一度夫と出会い今度の人生では母親になることを決意するが・・。
実は由利花には、ある時を境に袂をたった幼馴染みと初恋を引きずり20代半ばまで片想いしていた男性。一度目の人生では失敗してきた事があった。
由利花がもしタイムスリップしたのが20代初めとかならこの当初の想いもうまくいったのかもしれない。ただ五歳まで遡った由利花はアラフォーまで生きた知識とメンタルで一度目の人生での失敗を消していき成功した人生を歩んでいく。
由利花には一度目の人生とは違い前世で得る事の出来なかった選択肢ができる。幼馴染みや初恋の男性や前世での夫と共に歩んでいくパートナーを選ぶ事になるが、その選択を嘲笑うかのように事実が判明していく。
タイムリープする話でよくある前世の知識を使いその場を乗り切っていく。由利花もその様に生きていくが根本的な弱さは変わらないところが他のご都合主義な小説と違っていて、私見だが正直前半は好感度が下がる一方だった。しかしその様な所が一度目の人生で失敗した由利花という人物らしさがでている様に思えて例えやり直しをしても人間早々には変わらないというリアルさを感じる。
タイムリープの事実や忘れていた記憶などSFな要素?も出てきて話は進んでいくが、話の結末には誰が隣にいるのか?
本来起こる事のないタイムリープ
人生をやり直し変わった自分になったときに選ぶのは誰なのか。人は汚いものには目をそむけがちだが人間の弱さと本音、人生をやり直していくという残酷さが由利花の歩みに現れていると思う。
個人的な意見なので話の捉え方も違ったりするかもですがぜひ読んでみてほしい。