暗き鳥の堕ちる先に

鈴ノ木 鈴ノ子

くらきとりのおちるさきに


暗き鳥は飛んでゆく。


鮮やかな朝の空を


穏やかな昼下がりの空を


美しい夕焼け空を


雨の曇り空を


雪の降る空を


星の降る夜空を


白い尾を引いて、光の速さで、飛行機の速さで、緩やかな速さで


羽を小刻みに振るわせて飛んでゆく


やがて宿命つけられた宿木に堕ちていく


頭には化学の結晶を


身には機械の結晶を


尾には炎の結晶を


やがて、暗き鳥は天高く羽ばたくと


引き寄せる力のままに堕ちてゆく


流れ星のように堕ちてゆく


その頭が爆ぜたとき


嵐のような暴風をもたらして


灼熱のような炎をもたらして


生きた灯火を吹き消して


その身と一緒に他の未来を奪うのだ。




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暗き鳥の堕ちる先に 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki

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