第3話 編成と開戦、そして反撃

「お疲れ様ー。今日は一段とキツかったねー。」

この世界に来てから早2年、体の方はもう万全だ。

「おー、もう射撃は百発百中だよ。」

この世界に来てすぐ話した銃、そこから3ヶ月で試験機が完成し、その後すぐに正規実用型の魔法銃が完成した。

少し魔法銃について説明しよう。

魔法銃とは、爆発魔法で筒を爆破し弾を飛ばすという物だ。

そこら辺は現実世界と大差ないが大きく違うのは2箇所、威力と射程だ。

この世界は物に魔力を込めて攻撃力などを上げることが出来ない。しかし俺が提案した(アニメで見た)、物に魔法陣を描き、魔法効果を刻む刻印魔法ならば物に効果を持たせることが出来ることが出来た。

そこで2種類の弾が作られた。

1つは爆発弾。銃弾に爆発魔法の刻印がされており着弾時、魔力のある物に反応し爆発する。

これには欠点があり、魔力を持つ魔物にしっかりと命中させなければならない。故に地面に着弾したら爆発が起こらないのである。

威力は高いが命中率の高い者が使わなければあまり効果がないというのが欠点だ。

2つ目は睡眠弾。

その名の通り当たると眠らせることが出来る。

これは着弾時に弾が割れて中に封入されている睡眠薬が周りに散乱するというものである。

この睡眠薬は非常に気化しやすく、弾が割れた瞬間気体になり広範囲に広まる。

どこに当たっても破裂するので誰でも使える、大人数に影響がある、とても便利な品物である。

魔法銃についての説明は以上である。

では部隊編成について説明しよう

部隊人数は1000人。皆が想像した勇者の4~5人のパーティーではなくガチガチの大部隊だ。

隊長として俺、副隊長でサクラ、技師としてレドリー、他997人が精鋭の銃持ちである。

約400人が爆発弾、残りは睡眠弾持ちだ。

作戦内容は「街道の奪還」

現在、他国とを繋ぐ大街道にある中継軍事基地が占領されておりそこには武器などが保管されているのだと。そこを取り返せば他国との連絡もスムーズになり連携を取りやすくなるため重要事項のひとつとして数えられていた。

そして奪還作戦が開始される…


翌日の明け方一方的な蹂躙が開始された。

銃の有効射程は片手銃なら"300m"

長距離銃ならば3kmにも及んだ。

まず長距離銃で睡眠弾を放ち魔物を眠らせる。

そして100mほど離れた場所から爆発弾を放つ。

魔物は何が起こったかも分からず死んでいく。

魔王が人類に牙を向けてから1度の勝利もなかった。しかし、人間は初めて魔物に勝利を収めたのである。

「やったぁぁぁぁぁぁ!!!勝ったぞ!」

と雄叫びをあげる者。

「勝った…がっだ!!」

と号泣する者。

それだけ魔物は脅威であり、魔物に怯える暮らしが屈辱だったのだろう。

しかしまだ終わっていない。

王国から繋がる道にはまだ魔物に占領された場所がある。それを取り戻すまでは終わりでは無いのだ。

「まだ油断するんじゃないぞ!」

そう俺は喝を入れた…

結果としては全戦全勝。全ての街道を取り戻すことに成功した。



深夜、人類初勝利の宴が終わった後の静まり返った部屋の中に忍び笑いが響く。

「フフッ…まさか犠牲者0、怪我人も0とはね、

少々異世界人を侮っていたようだ…」

少し怒りを含んだ笑いが部屋にこだました




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異世界に召喚されたけどなかなか厳しい世界だった @dolto

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