目まぐるしく、視点が変わる様々な物語。それは色とりどりのステンドグラスにも似て。しかし、光を当てれば輝くだろう迷宮の中で、物語を追いかけるための灯火となるのは、仄暗い、あるいは光すらも吸い込まれそうな昏い謎。それほどに危うい世界が成立しているのは「文字」だけの世界であればこそ。手探りに世界を「文字」だけで拓いてゆく快感がここにあります。
第10話まで拝読しました。とある児童養護施設で起こった殺人事件から始まる物語。定番ともいえる事件に直接関わっていないかもしれない部分の謎も盛り込み、最初から謎だらけでこの後も解決するまで謎だらけかもしれない。