失恋生活十四日目
ズドーーーーン!!
まるで大砲でも撃ち込まれたような爆音が鳴り響く。耳鳴りがすっごいの!!
確かに私の仕業だけどとにかく煩いんです!! だから私は落下しながら耳に指を突っ込んでます。
いやーん、スカートが捲れるーーーーーー。あっはーん!!
「にゃにゃにゃーーーー!!」
「ごっめーーーーーん、ミケのこと忘れてたーーーーーー!! テヘ」
「にゃーーーーーー!!」
地上でミケが私のため撃ちに巻き込まれたと猛抗議をしてくる。え? 何だって?
「後でミケのウ◯コ汁のリンゴ割りを飲ませる」って? ほほー、ミケは私と徹底抗戦の構えを崩さないというのね?
だったらミケとの友情もここまでよ!!
「波ッ!!」
「にゃにゃーーーーーーー!!」
私とミケのエネルギー弾がもの凄い音を立てて空中で激突する。そして先ほどまで私たちに敵意を向けていたマンモスたちが呆然と、その状況を見守っていた。
あれれ? そう言えばどうしてマンモスたちは私たちと戦ってるんだっけ?
完全に忘れちゃった。
……まあいいか。
「ミケーーーーーーー!! アンタは女子高生を怒らせたーーーーーーーー!!」
「にゃにゃ!? にゃにゃーーーーーーー、にゃーーーーーーー!?」
私が本気を出すとミケの放つエネルギー弾が押され始めた。ミケは突如焦って大声で騒ぎ出す。
何だって? 「アレはただのジョーク」ですって? ふふふ、ミケの戦闘キャットとしてのプライドも地に落ちたわね?
この後に及んで命乞いなんて恥ずかしいわよ!?
「ミケーーーーー!! アンタの戦闘民族・ネコ科としてのプライドはそんなものなのーーーーーー!?」
「にゃ!? ……にゃー……、にゃにゃにゃーーーーーーーーー!!」
「そうよ!! ミケ、その調子よ!! 腰を深く落として深呼吸するのよーーーーー!! アンタの輝きの爆発を私にぶつけるのよ!!」
ふふふ、ミケは「そうだった、自分はネコ科の中でエリートの出だった。それが下級戦士なんかに負けてらんねーーーーー!!」と言っているのです。
え? そんなに長いセリフだったかって?
そんなのはフィーリングよ!! 私とミケの間に育まれた友情が為せる技!!
こうして私とミケのエネルギー弾は全力でぶつかり合って、周囲を吹っ飛ばすほどの衝撃となって拡散していった。
当たり前だけど近くにいたマンモスたちも被害を被った訳で。
いやー、マンモスたちに悪いことしちゃった。気が付いたら三匹とも目を回して気絶してました、で、私たちはと言えばマンモスから戦利品として超巨大な象牙をゲットしました。
スマートに斬鉄剣で先っちょだけ頂きました。
これって現代社会だと犯罪なんだっけ? でも殺してないから大丈夫だよね?
「うーん、この象牙の輝きに光沢。ツヤツヤして素敵い」
「にゃーにゃ」
ミケが「それがあれば釣り竿の針とか槍とか作れそう」と言ってくる。うーん、そうなれば一気に生活水準が跳ね上がるわね。
魚や獣を大量に狩ることが出来たら燻製とかにして保存食にしてもいい。
私とミケは自らが引き起こした爆発によってアフロヘアーとなりながらもハイタッチをして喜び合っていた。
「イエイ!!」
「にゃー!!」
「そう言えば私たちって何で喧嘩してたんだっけ?」
「にゃー?」
私とミケは既に喧嘩した理由を忘れてました。私たちって余程のことがないと喧嘩しない筈なのに、喧嘩が終わるとその理由を全て忘れちゃうのよね。
一人と一匹でウンウンと腕を組んで考え込むも、何も思い出せない。
…………まあいいか。
私とミケはスキップしながら洞窟の中に戻っていくのだった。そしてまたしても忘れていた、私たちの悲願がそこに気を失って倒れていることに。
夢のマンガ肉、それをマンモスの肉で叶えることが出来た筈だったのだ。
私たちがそれを思い出してひどく後悔するのは、約二時間後のことだった。当然だけど、その頃にはマンモスも意識を取り戻していて、私たちが戻ってきた頃には姿を消した後だった。
「マンガ肉……」
「にゃー……」
私とミケは大粒の涙を流して突っ伏していたのだった。
とんでもガール・鯖井晴ちゃんの無人島失恋生活 with 愛猫=豪華客船が沈没して漂流した無人島の生態系がジュラってました= ゅべ @juvesusu400100F3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。とんでもガール・鯖井晴ちゃんの無人島失恋生活 with 愛猫=豪華客船が沈没して漂流した無人島の生態系がジュラってました=の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます