第2話 ゲームというコンテンツに求める物
エイペックスやヴァロラントなどの所謂fpsゲームが最近ではかなり人気である。その前にも荒野行動やフォートナイトといったバトルロワイアルゲームが話題に上がることが多くあったし、こういった競技性のあるゲームが近年の流行になっているのはもはやだれの目に見ても明らかだろう。この状況がもたらした一つの常識が、「ゲームにおいて大事なのは勝つことである」というものだと私は感じている。勿論例に挙げたような本当に勝負をするものならそれでいいのかもしれない。しかし、そうではないパーティーゲームやrpgなどにもこの常識をもたらそうとする人々が一定数存在していることを最近よく目にする。結論構成。効率の良い回り方。最強パーティー。どの攻略サイトでも、このような謳い文句が並べられている。いや、そもそも攻略サイトというものがこの根底にあるのかもしれない。
もともとゲームは楽しむものだった。こうした方がいい、とかこうしなければいけない、といった縛りや決まりなんて存在せず、自由に自分の好きなように遊んでいた時期が、きっとあなたにもあっただろう。だが最初に挙げたようなゲームの影響もあり、今や「勝てば楽しい」「負けたらつまらない」なんていう極めて現実的なものになり果ててしまっている。楽しんでプレイしているなら、負けても悔しくて、それが楽しいはずなのに、一種の義務のように勝ち続けることを、どこかの誰かが見張っているような気にさせる。そうしてあなたにもっと勝てるように、性能の良いパソコン、ヘッドセット、マイク、その他周辺機器の広告がささやいてくる。
「これを買えば、きっともっと勝てるよ」
知らず知らずのうちにこのシステムの虜という訳である。
昔はただ楽しければそれでよかったゲームも、今では他人よりも多く勝たなければいけないし、他よりも秀でていることが必要なのだ。
誰かと比べるということは、案外多くの人が好きな行為だ。自分の方が勝っていると思う事で、自尊心を傷つけなくて済む。
ただ忘れてはならないのは、比較とは同じ条件下でしかできないという事である。あなたと貴方の隣にいる友達は比べられないのだ。本当は。
私考の迷宮 滝文 閉 @heikai0723
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