私考の迷宮

滝文 閉

第1話 若者も失敗出来ない時代

snsやインターネットの発達により、我々の生活は一変した。何もかも便利になったし、明らかに前の生活に戻れそうにないというのが素直な感想だ。スマートフォンがないと連絡は取れない。インターネットで情報も調べられない。動画も観れない。時間の確認も、スケジュール管理だって、全てこの薄っぺらい板にお任せ状態である。こういう前置きをすると、大体「ああ、きっとこいつはこれからインターネット社会がもたらす弊害を話すんだろうな」と想像されると思うが、そういう方向性の文章ではない。所謂、「常識の転換点かもな」なんて思い書き留めておこうかとふと頭に浮かびそれを実行しているというだけのことである。つまり、何かのデータに基づいている訳でもなく、もしかすると何の変化でもなくただの思い違いの可能性の方が大いにある訳であるが、まあただ頭の中にあるだけでは勿体無い気がしてきたので一応書いておこうか、くらいの気持ちで書いている事を念頭に、もし読む人がいれば読んでほしい。では、本題に入ろう。

 まず、この題名にある「若者も失敗出来ない」というのは「若いうちに沢山失敗しておけ」という自分よりも人生経験のある方々からの暖かい助言に対してのコメントである。大人になれば沢山の責任を負うことになる。そうなってから失敗するのでは大変なので、若いうちから沢山の経験を積んで失敗しないように、又はそうした場合の耐性やリカバリー力を付けておけ、という旨の忠告だと私自身は考えているが、こうした助言通りにもいかなくなってきているというのがこの章(表記では話)で書きたいことになる。

 最近みたネットニュースに某アイドルグループの俗にいうセンターに選ばれた人物の、過去のアイドルとしては見られては困るような経歴がファンによってTwitterを遡られて発見され、炎上した、というよくありそうなニュースを見たときにふと浮かんだ。深く概要をここに書くつもりはないが、こうして有名人が過去の出来事で炎上なり問題になる事はよくあることなので、「そんなことで今回の話とどうつながるんだよ」という疑問が当然浮かぶと想像されるが、今回注目したいのはTwitterの過去の投稿が現在の人物にまで影響が及んでダメージを与えたという点である。しかもデータとして確実に残っている為、誰かのタレコミで、とか噂話とはレベルが違う。要するにこのニュースが与えている教訓(自分が勝手にそう思ているだけ)は「あなたの過去の行いで現在のあなたが被害を被る可能性が十分にありますよ」ということだ。勿論昔もそんなことは頻繁にあっただろう。例えばもっと良い大学に入っていれば、と言った過去の選択による現在の不利な境遇に対する不満などだ。しかし、これは少し系統が異なる。実際に自分の満足のいく大学に入学できていれば、必ず今現在良い状態で朝を迎えられているとは限らないが、過去の投稿さえなければ炎上はしていないのである。要するに、犯罪や借金のような代物になっているのだ。いや、借金は返済すれば良いが、こちらは返済不可能だ。取り消せないし、上書きできない。その上ちょっとした些細なことでさえも、巨大なお荷物となって貴方の人生に付きまとってくるのである。

 だからこそ、ちょっとした失敗も出来なくなる時代が結構近くまで来ているのではないか、という思いに行きつくわけである。特にインターネットなどに残るような行動の場合は。と、ここまで説明したところで「それは毎度散々言われている事ではないか」と感じた人がほとんどだろう。インターネット上での行動は慎重しなる事なんて常識だと考えている人だっているだろう。だが本当に恐ろしいのはあなたがそう言った借金になるような行為を行わなくても、失敗できないような空気が流れることにある。実際、その片鱗はもう見えていると言ってもいい。よく最近の若者はチャレンジ精神がない。といったことがささやかれているのはまさにこれが影響しているだろう。ちょっとしたことで危ない事になっている人々を目の当たりにして防衛本能が働かない方が不思議というもので、自然と些細なことにも慎重になっているのである。そうそう一か八かのような選択は出来ない。それが悪影響なのかはまだ分からないが、そうした雰囲気が作られつつあるのでは?そしてその原因はこうしたニュースにあるのでは?と思いついた次第である。

 こうして文章にすると、もっと細部にあった思考が単純化されて消えてなくなってしまうのが悲しいが、これは自分の語彙力のなさが原因だろう。次の話ではもう少し時間をかけて文章化する方が賢明かもしれない。大体こんな要領でたらたら書いていくことになると思う。そしてこの文章もネット上に残ることになる訳であり、もしかすると大きな牙を未来の自分に向けているのかもしれない。ただ、そんなことに怯えて生活していてはとても退屈だ。ということで、多めに見てもらえないだろうか。

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