EX ファフニールの子供、キャシーの生態
「うわぁ!なんかキャシーの皮が!!」
「ああ、それは脱皮だね。ドラゴンって結構な頻度で脱皮するんだ」
「トカゲみたいですね」
「ああ、実際似ているよぉ?」
曰く、ファフニールはこうした脱皮を繰り返して大きくなるという。キャシーもいずれ、大きくなって、立派な竜へと成長するんだろうか。
「あ、大きくなった気がする」
「ピィッ!」
ペタペタと理科準備室を歩き回る。とても元気だが、暴れるほどでもない。下手なワンちゃんやネコちゃんよりもおとなしい印象を受ける。
人間に例えるとこの子ってもしかして優等生なのかな?
「ただしこのキャシーは、普通の爬虫類とは一線を画す」
「まあ、ドラゴンですからね」
「まず脳が結構発達している。かなり賢いんだ」
「言われてみれば、ちょっと頭が大きいような?」
「絶妙なバランスだ。あんまり大き過ぎると頭でっかちになるからねぇ。そうヒトみたいに」
想像したくないなぁ。頭でかいドラゴン。きっとバランス悪くて格好悪い。
「しかし幼体は少々ウロコが柔らかくてね。頭部は明確に弱点だ。きっと
と、サラダ先輩は独自の見解を持って話す。ということはあの時出会った大きなファフニールも過酷な環境を生き抜いた猛者なのかもしれない。大きければ大きいほど、強く賢い。
「ところで大丈夫なんですか?」
「ん?なにか心配することがあるかい?」
「うん。トカゲとかの変温動物って繊細って聞くし、部屋の温度管理とかしなくていいのかなって」
変温動物は身体の体温を保つために、外側からの熱を必要とする。日向ぼっこをしたりだとか。飼われているもので言えば部屋を暖かくする必要があると聞いたことがある。
今は特に春先で肌寒いし、この部屋にはエアコンないし、大丈夫なのかなぁ、と気になった。
「心配ないよ。ファフニールはヒトと同じ恒温動物だ。自ら熱を発する。と、いうかその熱源効率が異常過ぎて
脳裏によぎる、森を焼き尽くす悪夢の如き業火。なるほど、そりゃあ自分の身体の体温ぐらい自分で管理できそうだなと。
「ちなみに熱エネルギーを使う分大喰らいだ。子供を食べようとするくらいにはすぐ腹ペコになる」
「へぇ」
「と、いうわけで」
というわけで?なんですかその虫取り網とカゴと……そのゴキブリホイホイは。
「今日のディナーをたくさん用意してくれ、頼んだ副部長!!」
「いやだぁ!!虫は触りたくない!!」
キャシーの好物はゴキブリ、ミミズ、ムカデ、ダンゴムシらしいです。
クリーチャーゲート〜『異世界動物研究部』ぼっちな僕の誰も知らない放課後活動〜 七草疾風 @nanakusa_8888
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