第6話 コーヒーとパンケーキガメ①
「うわっ……!」
太陽が眩しい。5月半に入り、気温も日中半袖で過ごせるほどにまで上昇するようになった。元気よく玄関を出たはずが、歩いてすぐぐったりしてしまう。これでは、今日決めていたことが気持ち的におじゃんだ。
「せっかく
やる気だけが持っていかれてしまった。
大通を抜けて
ピンポーン
「……」
ピンポーン
「…………」
あれ、おかしいな……いつもならすぐ出てくるんだけど。
「
ケロケロ♪ スマホに着信。だれだろ。
『ごめ〜ん
え。
『p.s. 2階の窓見て』
どういうこと??と思いつつ、言われた通り2階の窓に目をやると……そこにはおでこに冷えピタを張りながらも、部屋の中からグッドサインをする
ケロケロ♪
夏海『あははー熱すぎて湯気も出せそう笑笑』
me『ほんとに出てるように見えるんだけど……大丈夫なの??』
夏海『えーまじー? モクモクの実でも食べたかな』
me『ス○ーカー大佐もビックリだよ全く……』
夏海『えへへ😝』
me『じゃぁ私行くけど、安静にしててね』
夏海『うん、ありがと。 月城君のこと、頑張ってね』
なっ、なんでそのことっ!?もう一度勢いよく2階の窓に目をやると、
「頑張ろっ……!!」
放課後何か買ってお見舞いに行こうと思いつつ、もう一度気を引き締める。
失ったやる気も、いつの間にか戻っていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
《おまけ:その後の二人のメッセージ会話》
海緒『……』
夏海『あれー、距離を感じるなぁ……最初に言ってくれたのは海緒なのに』
海緒『え、言ってないんだけど?』
夏海『言ってくれたじゃん今日の朝に。あ・い・し・て・るって口パクでっ』
海緒『ちがっ、おだいじにって言ったのっ!』
夏海『なーんだ期待して損したよぉぉとうと海緒が私の情熱的なアプローチを受け入れてくれたのかとっ』
海緒『そろそろ学校だから電源切る』
夏海『えー冷たぁい、もっと話そうよぉぉ(><)』
海緒『放課後ね』
夏海『了解ダーリン♡』
夏海『あれ、海緒? おーい』
夏海『海緒さーん??』
夏海『既読スルーしないで?』
夏海『ね?海緒?返信しよ?』
夏海『海緒さぁぁぁぁんっ!!😭』
_____________________________________
【後書き】
ここまで読んでいただきありがとうございます。
第六話「コーヒーとパンケーキガメ①」
いかがだったでしょうか。
題名になんか生き物がいるような……??
多分気のせいです。
ヒロインこと
ってことでもうちょい海緒ちゃん視点で続きます。
二人のわだかまりがスッキリするといいんですけどね。
コメント・高評価・レビューなど、励みになりますのでよろしければお願いします!それでは第七話でお会いしましょう。おしずまきでした。
【鯨井さんはお魚がお好き】—おしずまき
鯨井さんはお魚がお好き おしずまき @oshizumaki
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