第6話 初めての王都
あの戦場から離れ王都に着き、検問を難なく通過し入場する。
検問というのがあるのはジンから聞いていたが荷物を基本的に魔法小袋入れてあり、その中には魔具は入ってないと言っていたので問題ない。
魔具・
曰く、受験票があれば
ほかにもギルド冒険者証、学生証はその効力をもつとのこと。
武器を持つこと許される存在である証であるとジンが言っていた。
それを満たしていたので難なく通過できたわけだ。
中に入れた俺は魔法小袋の中からジンから渡された、こちらでの住処の場所が描いてある紙切れを出す。
この広さに対して小さな紙に書いて渡してきたが大丈夫なのだろうかと今頃感じてしまう。
紙に書いている内容は
<ココイングス薬草店
と書いているところから雑な曲がり角の曲がり順だけわかるように書かれたラインの地図だった。
師匠の適当さにあきれてしまう。
まぁこのイングス薬草店を見つけてその場所へ向かえということだろう。
適当にそこら辺の住人に聞いてみるとしよう。
ちょうど路地裏あたりで葉巻を楽しんでいる中年で小太りの少しキラキラした装飾をしている男のところへ行き肩を「なぁ」といいながら叩く。
「なんだぁ?おめぇ?」
「イングス薬草店ってどこにあるか知ってるか?」
男は俺を上から目線な態度で見てくる。
「あ、てめぇ庶民か?しかも田舎くせぇ」
「どこにあるか知ってるか?」
会話をしたくないので淡々と教えて欲しいと述べる。
「きたねぇ言葉でしゃべるんじゃねぇよ」
「どこに...」
「うるせぇ庶民がぁ!」
短気すぎる男はそう言うと同時に拳を飛ばしてくる。
遅すぎる拳。
避けることすら面倒になるレベル。
魔法で解決するか...体を動かしたくない。
「ショット...
頭の中で相手が死なない程度に凍り付く想像をしながら適当な詠唱をする。
詠唱し発動した魔法は小太りの男に直撃、頭の中で思い浮かべたとおりに凍り付いた。
魔法の基本は想像力とはよく言ったものだ。
こんなにうまく処理できるなんてなんて効率がいい事か。
......近接戦闘で刀振ってるのほうが圧倒的に得意なんだが。
情報を得られなかった俺はそいつを放置したまま路地裏を出る。
路地を出てすぐあった重装備の男に聞いたらすぐに教えてその場まで連れて行ってくれた。
優しすぎて中年がゴキブリに見えてしまう。
重装備の男にはイングス薬草店で礼を言い、別れた。
その後はジンの適当な地図でなんとか住処に着いた。
そう言えば、街の観光をしていないこと思い出した。
まぁしたところで迷子になるだけなのだが。
それについてはおいおい考えるとしよう。
住処のドアの前に立ちコンコンと軽くドアをノックする。
数秒ほど待てばドアが開いた、内開きのドアだった。
中から見た目25くらいの赤髪のショートヘアで俺よりやや身長が低い女性が出迎えてくる。
「よぉ!ハクレイ、ここで合ってたんだな」
「ようきたな!ジンのことだどうせ適当な地図渡してると思うがなんとかこれたようじゃな」
「相変わらず見た目に合わねぇばば、ゴフっっ」
腹に衝撃がくると同時に数メートルノックバックする。
完全に油断していたせいで動きが見えなかった。
ただ気づいたときには腹に一撃ぶち込まれていた。
女にババくせぇ喋り方とか言おうとしちゃいけねぇな。
教訓教訓...。
「ワタシに喧嘩を売れる元気があるようじゃノ?それなら今からおぬしの動き見てやるわ」
すごい笑顔でそんなことを申してくれるハクレイさん。
この人外と訓練?ジンだけで人外との修業は十分だわ!と言えて逃げれたらいいのだがなんとなく
だからコレから逃げなかった。
否、コレを断らなかった。
「久々にハクレイと一本戦ってみたかったところだ、その誘い受ける!」
ハクレイについて来いと言われて家の中に入る。
明らかに部屋が作れるわけがない位置にドアが設置されている。
そこを開くとただ真っ白な世界が広がっていた。
刀とかを王都ではブンブン振り回せんだろ!とか言ってジンが作ったと教えてくれる。
ハクレイとそれの中に入り、ある程度の距離を離す。
「さぁ、坊主...どこからでも来なさい」
ハクレイは闘撃流武術の構えをとる。
俺は対し黒月を抜き刀身をハクレイに向ける。
そして俺とハクレイの‘‘本気‘‘の肩慣らしが始まった
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