⑥
あれから、10年の時が過ぎた。
わたしは23歳になり、小さな印刷会社に就職して、東京で1人、暮らしていた。
あの日、出口の前、お別れの時、わたしたちはある約束をした。
“おじいちゃん、おばあちゃんになって人生を全うしたら、また三途の川で再開しよう。それまでお互い全力で生きよう”と。
最後の最後、扉をくぐり抜けるとき、春太は初めて私の名を呼んでくれた。
『すみれ!負けんな!!生きろ!!絶対、絶対生きて幸せになれ!!!』
その言葉はわたしの生きる力の源となって、悲しい時、寂しい時も、いつだって励まし、支えてくれる。
誰にも言えないわたしの初恋は、あの日終わってしまったけれど、いつまでもわたしの中で宝石のように輝き続けている。
三途の川辺で恋をした あおい @aoimam
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます