私は悪役になりたいんです!

稲垣なつ

エピローグ

私はミーシャ。コープ公爵家の一人っ子である。高齢出産で、さらに、待望の子供だったので、蝶よ花よと育てられた。それはもちろん何不自由のない生活である。そう育った子供がどうなるかはみなさんお分かりだろう。そう、私はすごいわがままなのだ。なぜ、自分をこんなに客観的に解説しているか、それは簡単である。現在、前世を思い出したからだ。人はあまりにも現実味のないことに陥るとかえって冷静になれるのかもしれない。と今思っている。そして、何より、私の顔があまりにも悪役令嬢すぎる。このつり目、そして、美しいルックス(自分で言うのもなんだが、美しいのだ)は、私が前世よく読んでいた悪役令嬢の特徴に類似していた。千歩譲って、異世界転生はいいのだ。だが、「マーティック帝国」という名前に聞き覚えが一切ない。私は、異世界転生の本が大好きなどこにでもいる中学三年生だった。まぁ、車にはねられて死んじゃったんだけどね。私の身の上話は、さておき、だいたい読んだことのある本に転生するんじゃないの?と思ってしまっているのだ。私は、シナリオも何もないよくわからないところの悪役令嬢になってしまったのだ。しょうがないから悪役令嬢がよくやっている、前世で学んだことと今世で学んだことを書き出そう。前世で学んだことでここに活かせそうなのはそう多くはないかな。まぁ、それはいいや。とりあえず、この国の中枢についてだ。王族は国王陛下と、第一皇子ミカエル様、第二皇子カエサル様、第三皇女のエリーゼ様。そして、公爵は帝国1商売やり手のコープ家、帝国1強く王族の護衛を請け負っているファルマン家の2つだ。ファルマン家には、長男フィリップと、次男トールダンがいる。そして、王族、コープ家、ファルマン家はの仲は良好である。ちなみに、今私はいつのまにか、カエサル様の婚約者となっていたらしい。そして、私と同い年のカエサル様、エリーゼ様、トールダンは全員来年からマーティック帝国で最も優秀な「マーティックアカデミー」に通うのである。おそらくそこでとてつもなく可愛いヒロインが現れるのだろう。すごく楽しみだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私は悪役になりたいんです! 稲垣なつ @Inagakinatsu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ