行方不明の博士を追って辿り着く真実は。

長編SFミステリー全3部作の1部であるというこの作品。
『ドクターT』について調べる新米記者の取材シーンから始まります。
最初はどんな展開をするのか予想が付かないのですが、田爪博士が語り始めれば、彼の居る奇妙な場所や置かれた状況に、俄然興味が湧いてくることでしょう。誰もが一度は考えたことのある「タイムマシン」というものについて博士が語るシーンでは、思わず「聞き入って」しまいました。面白い! 文章量が多くとも、次へ次へと文字を追ってしまいます。
博士の口から語られるこれまでのこと、彼に辿り着いた記者が目にする驚くべき光景。読み進めて損はしない、良質なミステリーだと思います。