第3話

『今日もCOLORのライブ最高だった。やっぱり推しのために生きてる。今回は全通できたから今までよりレスもらえたと思う。チェキ会もあるし稼がなきゃ。』

最初の頃はライブのことを事細かに書いていたけど今では自分のSNSに投稿するのはこのぐらい。だけど推しに返信するときは今の自分が持ってるすべての語彙を使って愛を届ける。それがオタクの仕事。

しばらく余韻に浸っているとさっき投稿したものに返信が来た。

《今日のライブ最高でしたよね!特に3曲目の朝飛くんのダンスが荒れてて可愛かったです♡》

察するにCOLORのオタクらしい。朝飛くん推しなんだろう。私としては箱推しに近い駿くん推しだから地雷ではない。良かった。このままスルーではイメージか良くないから返信をしようか。

『ですよね!私、駿くん推しなんですけど2曲目のソロのビジュ爆発しててヤバかったです』

さらっと自分の推しを伝えて地雷かどうかを探る作戦に出た。これにどう来るかによって語れるか拒否るか決まる。少しドキドキする時間を過ごした後、返信が来た。

《私朝飛くん推しです!語れる人がいなかったので是非仲良くなりたいです!》

元気いっぱいな、いい子そうな返信。やっぱり朝飛くん推しか。私もオタ友をなくしてからだいぶ経つ。そろそろ乗り換えてもいい頃だろう。

『私も仲良くなりたいです!DM繋がりましょ〜』

そう返信したらすぐにフォロー申請が来た。久しぶりのオタ友。DMを通じてこれから仲良くしていきたい。前回と同じことは繰り返さない。

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