まさに雲を掴むかのように、別れた夫を追い求めても辿り着けない。
- ★★★ Excellent!!!
まずなんといっても独特の台詞や言い回し。初心TARO節とも言える文章は読んでいると不思議な感覚に引きずり込まれます。
物語は浮気をした妻が謝罪も言い訳も許されず、夫が去って行ってしまうというお話ですが、特筆すべきは別れた夫が作品中にまったく出てこなくなる事ではないでしょうか。
シタ妻、優佳里がいくら探しても見つける事ができない。どこで何をしてるいるのかはほぼ伝聞でしか描写されておらず、本当に雲の彼方に行ってしまったのではと思ってしまいます。
「当然のざまぁだ」と思う反面、もし再会して優佳里の後悔を聞いたらどうなるんだろう?という期待もしてしまう。兎にも角にも最後まで目が離せない作品です。