第3話 嘘の世界Ⅲ

そう、あれは僕が中学生の頃。チェリーボーイをAppleのパクリ会社? バカなの? とか思っていた頃。私は恋をした。


 ちなみにその頃私は桜が好きな(なぜかその時に周りの人から笑われたときから)……チェリーガールと呼ばれていた。


 そんなチェリーガールとして桜を眺めていたときのこと、ある男の人が僕に声をかけてくれた。


「君、桜のを見てみたいな」


 そんな言葉を言われた。


「僕その時まで(入学して7日)他の人にからかわれたことしかなく、褒められたのは初めてで嬉しかった。これはきっと僕のことを食べちゃいたいくらい可愛い。そう言いたかったのだろう」


 ……。


「だが、それ以降さらにからかわれたのが激しくなった別の話」


 それからというものの、彼は僕に色々なことを言ってくれた。


『君の心はまるでダイヤモンドのようだよ』


 (訳:お金持っていて最高だよ)


『君の瞳はダイヤモンドのように綺麗だ。売り飛ばしてしまいたいよ』


『お金貸して』


『ギャンブル楽しいぜ?』


『なあ、ギャンブルやろーぜ?』


『ごめん、俺、今日で命がなくなるかもしれない』


「中学生なんて未熟よね。私はその男にすぐ惚れた」


 バカなの? このの言葉で? 最後自分の命をかけようとしていたよね?


「その後、彼とは音信不通になったっと思ったらマグロ漁船に乗っていたらしい」


 まけたの? ねえ? まけたの?


「それからは圧倒言う間だった。桜からダイヤモンドに変わったというのはいまでも私のことがより上の存在に上がったからだと思う、。そして、お金も時間もあっと言う間に溶けていった」


 ちょっとうまいこと言ったみたいな顔やめてくれる?


 ただ下ネタからお金に変わっただけだから。


「で? 彼がお金を求めていた? そんなことはない。だって彼はパチンコというバイトをしていたのだから」


 ……それってパのつくあれを回していたでじゃね? と言うか彼何歳なの?


「よく、彼は嬉しそうにしているとき悲しそうにしているときは激しかった。最初はうつ状態と躁状態(気分の高いやつ)を繰り返す病気かと思った。でも、どちらかといえばうつ状態の方が多かったから違うのだろう」


 そうだよわかってんじゃん。調べてんじゃん。双極性障害だよそれ……じゃなくてパチンコに負けてだけだよね?


「僕には過去のことはよくわからない。だからアルコールのないワインを飲んで忘れることにした」


 忘れるナシ⁉ ……ぶどうジュースって普通に呼べば?


「そして、なんやかんやあって僕たちは別れた。最後に言われた言葉は『ダイヤモンドが砕けきってしまったようだな』という言葉だった。最初は何を言っているのかわからなかった」


 そうだろうね


「そこで僕は彼が中二病だということを知った」


 そこで? もっと気づくとこあったよね? と言うか君もだいぶ中二病だよね? 感染(うつ)った?


「これはこれでいいと思った」


 まあそうだよな。あんなひどいことあったんだし。


「んなわけないじゃない! 悲しいに決まってるでしょ。それが初めての失恋だった」


 やっぱバカなの?


「……で、何の話してたんだっけ」


「本当だよな……何の話してたっけ?」


 恋愛の話しかしてないような気がするのは俺だけだろうか?


「何言ってるの? 悠真が私にお金をくれるってはなしでしょ?」


「アカリさん? 何言ってるの?」


「そうね。だいたいそんな感じで合ってる気がする」


「クロさん?」


 もしかして本当に記憶をねつ造しにかかってる?


「あ、違った。私が悠真のお願いをなんでも聞かないといけないんだった」


「あー、そうね、最低なやつね」


 ちがくないけど、その言い方悪意あるだろ……。


 嘘をついてはいけないけど、嘘を考えることはできるらしい。


 あとはなんとなくその話題からそらすこともできる。


 本当にめんどくさいなこの世界


「この街を案内するんだったわね」


「そうだけど……」


「何? 文句でもあるの?」


「あるだろ」


「なによ? 言ってみなさいよ」

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crucial 大切なことを探す旅 @y_kaiki

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