世界に生まれ、与えられたあらゆる空想に願いがある

空想と現実が混ざりあってファンタジーが生まれる世界を描いている。
幻想的で、実に興味深い作品。

ファンタジー語源は、見えないものを見えるようにすること。
空想と現実が混ざりあい、古き空想が新しい空想と生まれ変わって世界へ広がり循環していく様を、見える形にして描かれているところに本作の良さの一つがある。

この世のものはすべて、言い返し、やり返し、くり返しである。
物語の感情起伏パターンが六つしかなく、物語の基本形も数十のパターンの組み合わせからなり、キャラクターや時代設定、主人公や見せ方、入れ物を変えたり、その時代時代の考えやニーズに応えるなどするだけで、多種多様な作品へと生み出せる。
どんな作品も、読者に愛されなければ読まれることがない。
それは作品にとって、非常に悲しく切ない。