推しを恋人にしたい!!

@hhhu

第1話 また明日

多くの人が誰かを推すことってよくあるよね。私もその1人なの。そんな私が経験した甘酸っぱい恋のお話。


キーンコーンカーンコーン……

チャイムが響き渡る廊下から騒がしい足音がする。バーンと勢いよく教室のドアが開いた。

「あっぶねぇ!」そう言って爽やかな笑顔を振りまく彼。村本翔吾。彼こそが私の推しなのだ!爽やかな短髪に少し日焼けした肌。おまけにクシャッとした笑顔が素晴らしい。まさに芸術。遠くから見ているだけでも癒される。こんなにも私のどタイプな見た目をしている人がこんなにも近くにいるなんて私は幸せものだ。しかし、その日は塾に行かなければならなかった。あまりに成績が悪すぎて親に入れられた。まあ推しを拝められたら1日頑張れるのだけどね。


「遥香じゃあね!」皆と別れたあと重い足取りで塾へ向かう。

(勉強したくない!行きたくない。)

そう思いながら塾のドアを開けた。

「こんにちは〜」そう言うと、

「ようこそ!松本遥香ちゃんだね。これからよろしくね。」

よかった。先生はいい人そうだ。

「ここ、自習室だから自由に使ってね。」

そう言って紹介された部屋に入った。すると、なんと翔吾君がいた。彼は気づいてなさそう。

(なにこれ、やる気出るんですけど!!)

私はさっきまでの暗い気持ちが吹き飛んでテンションが上がった。なんて最高な日なのだろう。勉強している姿さえカッコよすぎる。

すると彼が顔を上げた。

(目が合ってしまった…!見つめていたことがバレてしまった。恥ずかしい。)

すると彼が話しかけてくれた。

「松本さんもここの塾だったんだ。よろしくな!」彼はあのクシャッとした笑顔だった。

(はぁ。イケメンすぎてため息が出るよ。心の中はテンパって上手く返せなかった。)

「あ、あの違うくて今日初めて来たんだ。こちらこそよろしくお願いします。」

(緊張したぁぁ。カッコよすぎる。しかも話せた!最高!)

「あははは、敬語じゃなくていいよ。じゃ、お互い頑張ろうぜ。」

そう言って彼は目線を再び下げた。

(今日は最高だな。)

私はその後端の席でしばらく勉強していたら、塾生がドンドンやってきた。

(結構人多いんだ。)

私はそう思いながら勉強を進めた。


意外と時間が経つのが早く閉館時間になった。みんな急いで帰っていく。私も何故か分からないが急いで帰る支度をして出口へ向かった。

「初日からよく頑張ったね。お疲れ様。また自習室来てね。」

先生はそう言って褒めてくれた。推しのおかげで褒められた。

「ありがとうございます。明日も来ます。さよなら。」

そう言うと

「あら、すごいやる気ね。頑張ろうね。さようなら。」

推しがいるから頑張れます!なんて言えるはずもなくただただすごいやる気のある塾生になった。すると、

「松本さんお疲れ様!じゃあまた明日!」

そこには翔吾君がいた。

(しょ、翔吾君!一日の疲れ一気に吹き飛んだよ!!また明日。最高だね。明日もここで会えるんだ。)

「お疲れ様。また明日!」



「なんで遥香が翔吾君と一緒にいるの…」

次回へと続く。


ここまで読んでいただきありがとうございます!!短編にしようと思っているのでぜひ次回もというか最終回まで読んでいただけたら嬉しいです🥰

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