カンバス

金糸梅

きらめきが終わって

白い光を放ち、木枠まで広がる

まっさらカンバス

白の世界。

布地から編んで張り詰めさせ

きらめきを広げ

悲しみを木枠でおしとどめ

画架で昇華する。

本題は絵の具。

きっと世界は極彩色、

混ざり合い混濁した色

渦巻き浄化し、調和した色

カンバスは色に侵され破られ

カンバスは色に上書きされ

　　　　　張りなおされ

誰かの秘密のモノクロに、

記憶は無彩色に

そうやって裏表、

何層にもきらめきと

　　　　　　　　　ノスタルジア

隠し重ね合わせて作品に

これまでは極彩放つきらめき

これから少し無彩のきらめき

繰り返し繰り返し。

たまにエキゾチックな他人が入って

カンバスを困らせ、

　秘密を結び、喜ばせ、幸せに

ヒペリカム

太陽の輝き、悲しみを照らす。

秘密を持ちて。