塩ラーメン
どらやき
第1話 (完結)
梓「はい!出来たよ~!今日は雄大の好きなロールキャベツに
オムライスも作ったよ!さあ、食べよ!」
1年ぶりに会った彼女は見た目も香りも服装も笑い方さえも変わっていた。
梓「はーい!出来たよ~!」
雄大「お!出来た出来た…ってまたインスタントの塩ラーメンかよ~!」
梓「いいでしょ~!私、これだけは誰にも負けないくらいうまいんだから」
ー ズズズーッ ー
雄大「うん、確かに。うまいわw」
梓「でしょ~w?」
恋人の梓は料理が下手で唯一作れるものといったらインスタントラーメンくらいだった。
俺が夜勤明けで帰ると、彼女はいつも塩ラーメンを作って待っていてくれた。
特別豪華な具材が入っているわけでもなく、ハムに卵と何とも質素な物だったが
化粧もせずそばかすだらけの肌にボサボサの髪を適当に結んだ髪の毛
口を大きく開けて笑う品のない笑い方の梓と食べるラーメンが
とても美味しくて幸せだったんだ。
そんな彼女が突然、上京すると言い出した。
梓「やりたいことを見つけたの」
俺はもちろん応援した。
梓に負けぬよう、俺も必死で働いて職場でも認められるようになった。
今の俺なら梓の前に行っても恥ずかしくない。そう思った俺は
1年越しに彼女に会いに行った。
梓「雄大~!久しぶり!」
玄関を開けた梓は、化粧できれいにそばかすを隠していて
髪の毛もまとまっていた。
俺のためにといって次々と料理を作ってくれる梓。
雄大「いつの間にそんなに料理が出来るようになったんだ?」
梓「練習したのよ~」
きっと、食べてくれる人がいたんだね。
なあ、梓。俺は一度もロールキャベツが好きなんて言ったことはなかったよ。
雄大「もう、あの塩ラーメンは食べられないんだな…」
塩ラーメン どらやき @Dorayaki_mogumogu0130
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます