ACT.34 『R.A.D.I.U.S.上空決戦!夜風あたたかく』



-みなとみらい 第22区-

-上空 夜-


永遠とわが市街地戦を避けなかった。そのことが、ニーナをイラつかせた。


「そっちがその気ならさぁ」

「いいわ。こっちもやるよ」


それが、ニーナの本気であり本懐であろう。


「ステファニー、マリィ、行くよ!」


「了解」

「りょーかい」


10キロ先に、永遠の機影を見つけた。

3機の漆黒の機体が永遠へと襲い掛かる。


「一気に決着を着ける」

「鳥籠を使う!デルタ編隊を組め!」


「了解!」

「了解!」


三機から放たれる特殊電磁光の網により、永遠の機体を包囲する。光の網が絡みつき脱出できない上に、高圧電流がパイロットを襲う。至高のフラワー騎士・永遠とはいえ、いつまで持つのか?


一瞬、意識を失う永遠。


マリィがキャノピーを開ける。すかさず、レーザーランチャーで永遠を仕留めにかかる。



しかし、



「マリィ、何故撃たない?」

「ランチャーに異常でもあるのか」

「返事をしろ!マリィ――」



昨日の思い出が脳裏を過る。

ハッとするマリィ、我に返る。だがしかし、時すでに遅し。フラワー騎士としてあるまじき行為。千載一遇の機会を失う。


意識が戻った永遠。僅かな時間で活路を見出す永遠。三機の設計データを解析、弱点を探す。


「わかったぞ!」

「鳥籠システムは、各機体の過剰なエネルギーの流出を防ぐために五分が限界だ」

「だと、わかれば」


一旦、全てのスイッチを切る。機体にかかる負担を少しでも軽くするのだ。黒薔薇の女騎士たちの誘導弾の雨霰。




機体各部に異常あり。警報音が鳴り響く。

機体の70%、80%、85%損傷...。

操縦席、レッドアウト!!




もう機体がもたない。

あと、30秒

あと、10秒

あと、1秒




「図に乗るな!」と永遠とわが叫ぶ。

永遠の戦闘本能が臨界に達した。ETERNAL-Rの頭脳が敏感に呼応。

息を吹き返したように、エンジンジェネレーターから、耳を切り裂く凄まじい轟音。




黄金のフラワー騎士のプライド......全開!




後日、R.A.D.I.U.S.から三名の戦死が報告された。



ACT.38 『R.D.I.U.S.上空決戦!夜風あたたかく』終





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