ACT.33 『決戦前夜・ニーナの誓い』



-赤レンガ倉庫-

脚を伸ばしてアイスを食べる3人の少女。流石は、ヨーロッパの美少女三人だ。自然と絵になるというものだ。


三人同時に、ストップウォッチを合わせる。


「一次解散。以後、単独で行動だよ」

「うん」

「うん」



-横浜元町通り―

人混みの中、上質な赤いワンピースのにーな。小さな頭を包み込む麦わら帽子が。その広いキャペリンから一際美しい翠の瞳を覗かせている。両腕を羽根のように拡げ、子供のように駆け出すニーナ。



-くじらのせなか-

身体を大の字にするステファニー。しかし、その顔はふくれっ面。リュックから可愛い顔の覗かせる一匹のウサギ。

ウサギの耳を鷲掴み、自分の顔に押し付ける。揺れるツインテール...。

ツインテールは、こんな時代であっても無敵である。



-コスモワールド・観覧車-

一人で観覧車に乗るメガネ姿のマリィ。眼鏡はジャーマンブランドのic!belrin。

マリィは、知的な理工系少女。フラワー騎士などにはなっていなければ、今頃...。






-港が見える丘公園-


三人、集結。

公園内は、とても静かだ。

ニーナが元町の宝飾店NIESSINGで購入したプラチナのイヤリングが月明りで輝いている。


三人、明日は、死ぬ覚悟ができたのか?

それは、彼女たちの細い腕から流れ落ちる美しい血液が証明している。


「生きて帰って来れたら、またここに集まろうね」

とニーナが言った。


「うん」

「うん」

ステファニーとマリィが頷いた。





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