ACT.28 『月見、母になる!これが赤ちゃんの匂いん。』



右手に裂傷を負う月見つきみ

その露出した傷口から、一目で人間のではないことに気づく。


-オペレーションルーム-

月見は、自らも生体量子コンピュータであることを知る。だが、今はもう、そんなことは問題としない。月見は、これから生まれてくるであろう子の身を案ずる。




1回目の陣痛!


慌てる炎花。

少しでも冷静にと。耀子。

分娩の準備を始める少女二人。



2回目の陣痛!


月見、耀子のコンバットドレスをちぎれんばかりに噛む。凄まじい歯ぎしり。オペレーションルームに響き渡る叫び声ににも似た声にならない声。



破水。


「うわぁぁぁん。うわぁぁぁぁぁん」



炎花と耀子が赤ちゃんを取り上げ、母になった月見に見せる。





「うわぁぁぁ」

「ふふっ」

「うれしいよ。はぁ。これが赤ちゃんの匂いん?」



ACT.26 『月見、母になる!これが赤ちゃんの匂いん。』終






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