二刀流。

炎花が、初めて目にする独特な構え。

一見すると薄い...。

「唸（うな）れサーパー」

「啼（な）けツヴァイ」

「この構えを見て、無事に帰った者など...」

「いない」

ロジカルな眞雪とは正反対な戦闘パターンだと、炎花、痛恨の誤認。

仕掛けが速すぎた炎花！

尚且つランサーブレイドの扱いは、炎花の数段上だ。

炎花、必死に勝てる要素を探しまくる。

探せば探すほど焦る炎花。

中略

炎花覚醒。無刀の境地に至る。束ねられていた髪が、美しく解（ほど）ける。

瞬時に、間合いに入る炎花。

ライラのランサーブレイドを両手で挟み込む。と同時に発勁（はっけい）。

ライラのサーパーが粉々に破壊されていく。

ライラ、潔くツヴァイを放り投げる。

ライラも覚醒。

無刀対無刀。もう誰も割って入ることは出来ない。

発勁（はっけい）するごとに、凄まじい轟音（ごうおん）。

ライラが炎花の間合いに入る。

その炎花を、思い切り抱きしめるライラ。

自然と炎花の瞳から、暖かい涙が零れ堕ちた...。

ACT.25 『戦場のライラ』終

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